レッドソックス沢村拓一投手(32)が、悪天候で1日遅れとなった開幕戦に登板。1回1安打無失点1奪三振の好投で、メジャーデビューを飾った。

0-3と3点リードされた9回。かつてレッドソックスのクローザーを務めた上原浩治氏も使用していた登場曲「サンドストーム」が流れる中、右中間後方のブルペンからマウンドへ向かった。「高揚感はありましたが、変な緊張感もなく、すんなり入れたと思います」。まずは6番ヘイズをスプリットで空振り三振、7番フランコを三ゴロ。8番ガルビスには左中間二塁打を浴びたものの、9番セベリーノを二ゴロに仕留め、メジャー1年目のスタートを切った。

最速は96マイル(約155キロ)を計測したほか、93マイル(約150キロ)のスプリットで空振り三振を奪うなど、オープン戦で感じていた課題を着実に修正。「ゼロで終われたというところだけ、いいスタートが切れたのかなと思います」。チームは完封負けを喫したものの、コーラ監督は「今日は今までで最もいいスプリットだった。見ていて楽しかった」と、沢村の期待通りの投球に満足そうだった。

念願の初登板を果たした一方、周囲への感謝も忘れなかった。「この地、この国で、フェンウェイのマウンドに立つことができたのは、監督やコーチ、スタッフのおかげで投げられたと思います。家族や仲間の後押しがあって、ここで勝負できているので感謝しています」。スタートラインに立った沢村は、好発進後、あらためて表情を引き締めるように言った。