マックス・フェルスタッペンは見極められてしまったのだろうか? メルセデスのルイス・ハミルトンは9日のスペインGP決勝レースを通して、フェルスタッペンに関して過去の累積分よりも多くの事を学んだと語った。
カタロニア・サーキットでのレースでは、好スタートを切ったフェルスタッペンがターン1でトップを奪取。仰天の2ストップ戦略で以て最終盤にこれをパスするまで、ハミルトンはレースの大半でフェルスタッペンのDRS圏内、つまり1秒以内に付け、ライバルの後ろ姿をじっくりと観察する機会を得た。
通算100回目のポールポジションを98勝目へと繋げたハミルトンはレース後の会見の中で、フェルスタッペンの背後でステアリングを握り続けていた事で、ライバルに関する有益な情報を得ることができたと語った。
「実際のところ、とても良い一日になった」とハミルトン。
「今日はマックスについて多くのことを学んだ。おそらく、これまでの全てのレースを合わせたものよりも多くの事を学んだと思う」
「そういう意味では今日のレースは良いものになったし、チームワークも最高だった」
一体ハミルトンはフェルスタッペンの何を学んだのだろうか? 詳しく説明してほしいと問われると笑いながら次のように答えた。
「いやいや、、特には無いんだけどね。ただ…コース上で一緒に走っていると色々なものが見えてくるし、間近で観察することができる」
「僕は比較的近い場所で付いていったから、彼のクルマについて多くの事を学んだし、彼がどのようにクルマを操っているのかという事についても多くを学んだ。その点で良いレースだったと思う」
メルセデスが2ストップを実行に移すと同時に優勝は不可能と判断したフェルスタッペンは、最終盤にハミルトンにオーバーテイクを許すとチャンピオンシップでのダメージを最小限に抑えるべく、フリーストップを活用してソフトタイヤに履き替え、ファステストラップを刻んでボーナスの1点を加算した。
ただ当然の事ながら、25ポイントの大量得点を得たハミルトンの差を埋めるには役不足で、ドライバーズランキングでのギャップは14点に拡大した。
レースペース、特にミディアムコンパウンドを使ったロングスティントでのメルセデスW12の速さは今や完全にレッドブル・ホンダを上回っているように見受けられるだけに、ミルトンキーンズのチームにとってはここが踏ん張りどころと言えるわけだが、チャンピオンチームはライバルの巻き返しを黙って見ていてくれるほどお人好しではない。
チーム代表を務めるトト・ウォルフはレースを振り返り、誰がポールを手にするのか予想もつかない接戦がシーズン最終戦まで続く事を願っているとしながらも「2週間後には状況が逆転している事もあり得るわけで、我々は決して休む事はないし、今の地位に甘える事もない」と述べ、8連覇への決意を新たにしている。
ハミルトンの”学び”が今後の選手権争いにどう影響するのか興味深いところだ。
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