西武は27日、源田壮亮内野手(28)が新型コロナウイルス感染を調べるPCR検査で陽性と判定されたと発表した。西武では初の感染者。源田以外は陰性だったが、球団は濃厚接触の疑いがある先発のザック・ニール投手(32)ら7選手をベンチ入りメンバーから外し、マット・ダーモディ投手(30)が緊急先発した。対戦相手の広島が12人の感染者を出して2試合延期。試合が再開した日にコロナ禍が襲った。
辻監督はベンチでピクリとも動かない。いや、動けなかった。同点の9回1死からベテランの栗山が中前打で出塁。本来なら代走が送られる場面だが、ベンチに残っていた野手は、捕手の岡田のみ。勝負手を打てず、4点を先行しながら引き分けに終わり「外野手も代えられないし、代打も送れない。今日は苦しかったですね」と胸の内を明かした。
広島入り4日目でようやく訪れた交流戦初戦。だが、今度は試合開催を待ちわびていた西武ナインがコロナ禍に見舞われた。この日午前9時ごろ、源田が37・5度の発熱を訴えた。抗原定性検査の結果は陰性だったが、念のため受検したPCR検査で陽性判定。これに伴い、24日の広島到着後に源田と濃厚接触の疑いがある金子、愛斗ら7選手とスタッフ1人の計8人が球団の判断により、宿舎で待機。ニールも先発を回避し、ダーモディが緊急登板するなど投手9人、野手はわずか10人の計19人で試合に臨む異常事態となった。
それでも残された選手たちは試合に集中した。ダーモディは5回1失点。「バタバタして気持ちの持ちようも難しいところがありました」という山川は先制の2点二塁打と気を吐き「皆がそろってできるまでしっかりやっていかなくてはならない」と前を向いた。
今後への影響も必至だ。源田は2週間隔離され、濃厚接触が疑われる選手については広島市内の保健所において特定作業が行われている。判定が出るまで移動は不可。仮に濃厚接触と認められなくても、28日に本拠地で行われる阪神戦への出場は厳しい状況で、同日から仙台で行われる予定だったイースタン・リーグの楽天戦も中止になる方向だ。
西武はこれまでチーム内で感染者を出しておらず、昨年8月2日のソフトバンク戦、今月2日の日本ハム戦、今回の広島戦と相手チームのコロナ禍により試合中止の憂き目に遭ってきた。ついに自軍にも及んだコロナウイルスの猛威に「一試合一試合必死で戦っていきます。それしかないです」と辻監督。チームの要・源田を欠く苦しい交流戦が始まった。(花里 雄太)
【この日の西武】
9:00 源田が広島市内の宿舎で37・5度の発熱を訴える。
14:45 宿舎を出発。
15:25 マツダスタジアムで練習を開始。源田と濃厚接触の疑いがあるニール、金子ら7選手は姿を見せず。
16:46 通常より20分以上早く、フリー打撃終了。
17:10 練習終了。
17:51 源田の新型コロナウイルス感染を発表。
18:00 試合開始。
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