<日本生命セ・パ交流戦:巨人9-4楽天>◇25日◇東京ドーム
少しぐらいは不格好でもいい。巨人が犬鷲を強引に押し切った。2点を追う4回2死一、二塁、ウィーラーが頼もしかった。古巣の元同僚岸の初球135キロスライダーを振り抜いた。2点先制も一時逆転を許し、直後に再逆転。4失点の戸郷に白星をささげる6号3ランに「逆転のホームランだから最高に気持ち良かった」と口角を上げた。左翼席へ歴代40人目の「12球団制覇弾」で先勝を決めた。
楽天時代の米村コーチ直伝の「魔法のギャグ」で苦境を好転させた。決勝の逆転弾をベンチで出迎えると大興奮でハイタッチ。最後はヘルメットをとって、クルッと回し、再びかぶる。ダチョウ倶楽部上島竜兵のギャグ「くるりんぱ」を披露した。ベンチを大盛り上がりにした活力がチーム全体に波及した。
けがで離脱中の主力の代役を担う若人が躍動した。梶谷の代役に指名され1番右翼で先発した松原が3安打。坂本の穴を埋める吉川も4安打。ウィーラーを含めた上位3番までで、8安打5打点で打線をけん引した。守備でも丸が、4回は左へ右へ振られグラブに当てながら長打を許したが、5回に浅村のフェンス際の大飛球をジャンプ一番スーパーキャッチ。途中出場の湯浅も8回に鈴木大の三遊間のライナーに飛びつき好捕でもり立てた。
攻守ともに反省点はある。でも、勢いをつけて交流戦開幕白星をつかんだ。ウィーラーは「いいことも悪いこともあるけど最終的にはみんなで楽しんで自分の役割をしっかりと果たす」と一丸を強調。2年ぶりの交流戦に原監督は「楽しみの中に厳しさを、そして勝負するということが大事なんだと思います」と明日の戦いに目を向けた。【為田聡史】
▽巨人松原(1カ月ぶりのスタメンで3安打2打点)「(梶谷の)穴埋めができればなと思って挑んだ。今日は自分のできることをしっかりやれたかなと思う」
▽巨人吉川(プロ通算2度目の1試合4安打で打率を3割に乗せる活躍)「こういうチーム状況で、少しでもチームに貢献できたことは良かった」
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