日本が誇る世界王者で、日本選手団主将の国枝慎吾(37=ユニクロ)が、大逆転で12年ロンドン大会以来2大会ぶりの4強入りだ。12年ロンドン大会決勝の再現となった同6位のウデ(フランス)に、第1セット2-5から逆転。タイブレークでもぎ取ると、7-6、6-3のストレートでベスト4に進出。メダルに王手をかけた。

しびれるような展開に、何度も国枝がほえた。緊張からか、回転過多になり、球が飛ばない。棒球になり、相手に楽々と返球、コントロールされた。2-5となり、第1セットを失うピンチで、世界王者が目覚めた。

球への回転を少なめにし、球が飛ぶ軌道を直線的にし、スピード勝負に出た。カウンターで返球される危険性もあるが、攻撃型に転換。勝負に出た。それがうまく働き、一気に4ゲームを連取。タイブレークも大接戦となったが、4度目のセットポイントを奪った。第2セットは終始リードし、勝利をものにした。

ともに長年、世界の車いすテニス界を支えてきたライバルだ。両雄の対戦は、過去60回を数え、車いすテニス界で最も対戦が多いだろう。その2人が見せた名勝負だった。