米上院司法委員会は15日、米国体操協会の元チームドクターによる女子選手への性的虐待事件に関する公聴会を開いた。2016年リオデジャネイロ五輪で4冠を達成したシモーン・バイルスさんら4人の被害者が証言し、被害を届け出たにもかかわらず事件を放置した連邦捜査局(FBI)や競技団体の姿勢も批判した。
今年の東京オリンピック団体総合決勝の途中で競技を離れたバイルスさんは「事件がないがしろにされてはならないとの思いが(五輪に臨む)心の支えだった。(新型コロナウイルス禍で)サポートしてくれる家族が同行できず、重荷を背負い続けるのはつらかった」と涙ながらに語った。
米代表のチームドクターだったラリー・ナサル受刑者は1990年代以降、数百人の選手を性的に虐待した疑いがあり、18年に性的暴行などの罪で最長175年の禁錮刑を受けた。米国オリンピック委員会(USOC)の第三者調査で、体操協会やUSOCは被害の情報を把握しながら、長年対応を怠ったと指摘された。監察総監室の調査でFBIが被害者の訴えに迅速に対応しないうちに新たな被害が生じていたことも判明し、上院司法委が公聴会を開いた。
バイルスさんは「私はラリー・ナサル(受刑者)を非難するとともに、彼の虐待を許した(体操協会やUSOCなど)組織全体を非難する」と訴えた。東京五輪での精神状態について「虐待の衝撃は消えもしないし、忘れもしなかった」と述べた。
一方、ロンドン五輪団体総合金メダリストのマケイラ・マロニーさんは、15年夏に被害状況をFBIに詳細に説明したが「FBIは17カ月間も文書化しなかったばかりか、後に調書に書かれたことは私が説明したこととは全く異なっていた。うそをついて性的虐待の常習者を守っていたのだ」と批判した。11年の世界選手権東京大会の際には睡眠薬を飲まされ、ホテルで未明まで数時間暴行された。この事件について、FBIの担当者に被害を説明したが「当時のことを思い出して泣いていた私に担当者は沈黙の後、『それだけですか』と言った。その言葉を聞いた時が一連の出来事の中でも最悪の瞬間だった」と心情を吐露。「被害が軽んじられ、守ってくれるはずの人に尊重されなかった」と訴え、捜査当局を批判した。
FBIのレイ長官は被害者に謝罪したうえで「我々が仕事を果たさなければ、誰かに苦痛を与えるということを心に刻む必要がある」と述べ、再発防止に取り組む姿勢を強調した。【ワシントン秋山信一】
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