■シリーズタイ デスパ1試合6打点
鋭いスイングから放たれた打球が高々と上がり、右翼スタンドに着弾するまでおよそ5秒。デスパイネは打席から一歩も動かず、たっぷりと余韻を楽しんだ。5点リードで迎えた7回1死満塁。鍵谷の外角直球を豪快に振り切った。日本シリーズでは球団史上初となる満塁弾で、シリーズ最多タイとなる1試合6打点もマーク。巨人を奈落の底にたたき落とした。 「完璧な当たりだったしチャンスで最高の結果になってくれて良かった。記録のことは知らなかったけど、すごくうれしいね」 今季は右脚の故障もあり、2014年の来日以降で自己ワーストとなる25試合の出場にとどまった。6年間継続してきた2桁本塁打にも届かず、打率も2割2分4厘と苦しんだ。「シーズンで貢献できなかったから、このシリーズでは爆発したいと思っていた。自分のすべてを懸けているよ」。悔しさをパワーに変えている。 同じキューバ出身の「相棒」であるグラシアルのバットも好調だ。初回に内野安打で出塁して3点目のホームを踏み、シリーズの連続試合得点記録9に並んだ。3回無死一塁では戸郷のスライダーを左中間スタンドに運んだ。リードを6点に広げる2ランに「久しぶりにいい当たりのホームランだった」。昨年のシリーズでは4試合で3本塁打を放って最高殊勲選手(MVP)を獲得。大舞台で無類の勝負強さを誇る男は今シリーズも2試合連続マルチ安打と本領を発揮しており、2人で計8打点と大暴れした。 打線をけん引するキューバコンビにとっても未曽有のシーズンだった。東京五輪出場権を懸けた代表戦に向け3月上旬に離日したが、新型コロナウイルスの影響で大会は中止。来日できないまま母国にとどまり続けた。その期間、国の施設を借りるなどしてトレーニングをこなした2人は「たくさんの人が支えてくれたおかげ。感謝しかない」と振り返る。 来日しても、コロナ禍での異国の地での生活にはさまざまな制限があった。フラストレーションがたまる日々を過ごしながらも、苦労話を聞こうとする報道陣の質問に多くを語ることはなかった。「チームに貢献することがすべて」。ことあるごとに2人が口にしてきた言葉だ。 キューバコンビのアーチ競演は今年初めて。アベック弾は、レギュラーシーズンでは2018年から8試合あり、すべてチームは勝利を収めている。日本シリーズでも勝ちにつながり、不敗神話は大舞台でも継続された。デスパイネは「あさって(24日)からはホームで戦える。ここまできたら4連勝で終われるように頑張りたいね」と2年連続のスイープ決着を狙う。その言葉を信じさせる力がこのコンビにはある。 (長浜幸治)
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