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2020年11月30日(月)18:46 pm
29日(日)に行われたF1バーレーンGP決勝はスタート直後にロマン・グロージャン(ハース)のマシンが大きな炎に包まれる大事故が発生したことで赤旗が振られ、長時間にわたってレースが中断されてしまっていた。
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事故直後にはその様子を意図的に放映しなかったF1だが、グロージャンが無事であることが確認された以降は事故発生の様子や、炎の中から自力でマシンから脱出するグロージャンの様子などがテレビ映像で紹介されていた。
だが、レースが赤旗で中断されている間にF1が事故映像を何度もテレビに流したことを快く思わないドライバーも少なくなかったようだ。
ルノーのダニエル・リカルドは事故映像を何度も放映したF1には「むかつくし失望した」と語り次のように続けた。
「あんな形でグロージャンの事故を何度も何度も放映したのはまったく失礼だし、彼の家族や僕たち全員の家族に対する配慮が賭けていたよ」
「僕たちはあと1時間もすればまたレースをすることになっていたのに、テレビを見るたびにそこには火の玉と半分にちぎられた彼のクルマが映し出されていたんだ」
メルセデスのバルテリ・ボッタスも母国フィンランドの『Ilta-Sanomat(イルタ・サノマット)』に次のように語っている。
「何が起きたのかを知りたかったから1回見たよ。だけど、その後はもう見たいとは思わなかった。でもそれからいたるところでそれが報じられていたよ」
フェラーリのセバスチャン・ベッテルもリカルドやボッタスと同意見のようだ。
「僕は自分の部屋に行ったよ。あの事故を何度も見たいとは思わなかったからね」
そう語ったベッテルは次のように付け加えた。
「多くの人たちがああいう火事の映像を見たいと思うことは分かるよ。だけどこれはみんなのためなんだ。僕はああいう事故をテレビで何度も放映するべきではないと思っている」
一方、マクラーレンのチーム代表を務めるアンドレアス・ザイドルは、カルロス・サインツとランド・ノリスはいずれも実際に何が起きたかを理解するために事故映像を見たがっていたと語り、次のように続けた。
「私は2回目のスタートの前にうちのドライバーたちと手短に話をしたよ。誰もがそれぞれのやり方でそれに対処するんだ」
「カルロスとランドはピットウォールでその映像を見ていた。それが彼らの対処方法だったんだ」
しかしながら、ボッタスは次のように続けている。
「ファンや視聴者は自分があれを20回も見たいと思うのか自問すべきだと思うよ」
「僕個人としては、それは避けたかった。僕には集中すべきレースがあったからね」
しかし、そのボッタスのボスであるメルセデスF1チームCEOのトト・ヴォルフは、事故映像のリプレイはインターネット時代における“透明性”を維持するという観点からは正当化できるものだと考えている。
「もしロマンがもっと深刻なけがを負っていたなら、我々はレースを止めていただろう。レースよりも命の方がずっと大切だからね」
「だが、我々はあの事故の映像はリプレイするべきだった。我々には透明性が必要なんだ」
そう語ったヴォルフは次のように付け加えた。
「そうしないと、誰かが携帯カメラで撮影し、それをインターネットに流していただろう。どちらにしても、起きたことが記録されたものを見ることはできるわけだからね」
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