中日は3日、名古屋市内の球団事務所で来季の戦力外通告を行った。球団は小熊凌祐投手(30)、伊藤準規投手(29)、阿知羅拓馬投手(27)、鈴木翔太投手(25)、石川駿内野手(30)、育成契約の浜田智博投手(28)、大蔵彰人投手(26)の7選手に来季契約を結ばないことを通達した。

小熊は近江から08年ドラフト6位で入団。今季はヒジの故障もあり1軍昇格はなかった。通算90試合12勝13敗、防御率5・03。16年、18年は先発ローテの一角に食い込む活躍も見せていた。「今年1軍に上がれていなかった。ケガもあり、覚悟はしていた。ヒジを故障したが、いま全力で投げられる」と、トライアウトへ挑戦する意思を示した。

伊藤準は岐阜城北から08年ドラフト2位で入団。昨年10月に右肘のクリーニング手術を受け、今季ウエスタン・リーグでは8試合の登板に終わり、1軍昇格もなかった。通算83試合7勝11敗、防御率4・26。「12年間球団にお世話になり感謝している。初登板が立浪さんの引退セレモニーの試合だったことが思い出」と話し、トライアウト挑戦を予定している。

阿知羅は大垣日大を経てJR東日本から13年ドラフト4位で入団。昨年5月5日ヤクルト戦で5回3安打2失点でプロ初勝利を挙げた。今季は1軍昇格がなかった。通算成績は24試合1勝4敗、防御率4・84。「一昨年に1軍登板がなく、ダメかなと思ったが昨年先発で1勝できたことはありがたく思っている」と、今後のことは検討中とした。

鈴木翔は聖隷クリストファーから13年ドラフト1位で入団。18年オフに右手血行障害の手術を受け、2年連続で1軍登板はなし。通算成績は24試合5勝5敗。「覚悟はできていた。2年間1軍で投げていない。手術後はモヤモヤしていたが、(2軍で)最後の1カ月は思い切って投げられた。いままでで一番いい球も投げられ、150キロまで出るようになった」とトライアウト挑戦を表明した。

石川駿は北大津、明大を経てJX-ENEOSから14年ドラフト4位で入団。昨季はウエスタン・リーグで首位打者、最多出塁率の2冠。今季は開幕1軍に選ばれたが、7月に左手軟骨損傷で2軍落ち。その後はウエスタンで2試合の出場に止まった。通算成績は31試合10安打6打点、打率2割4分4厘。「野球を引退して次の道を進もうと思う」と現役引退を表明した。

浜田智は宮崎工から九産大を経て14年ドラフト2位で入団。通算成績は1軍1試合に終わった。「呼ばれたときに覚悟はしていた。何もできていないので悔しい思いはある」と話し、現役引退を表明した。

大蔵は大垣西、愛知学院大、四国IL徳島を経て、17年育成1位で入団。19年春季キャンプで胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化症を発症し手術を行った。支配下登録を勝ち取ることなく退団。「ナゴヤドームで投げたいと入団したが、できなくて悔しい」と話した。