単勝1・3倍と圧倒的人気を集めた2020年の最優秀短距離馬グランアレグリアが、力の違いを見せつける走りで4馬身差の圧勝劇。G1V5を飾るとともに、牝馬だけがなし得る古馬の芝マイルG1完全制覇を達成した。2着は10番人気のランブリングアレー、3着には5番人気マジックキャッスルが入った。
レベルが違った。いや、違い過ぎた。グランアレグリアが危なげない走りで5つ目の勲章を獲得。あっさりと古馬の芝マイルG1(安田記念、マイルCS、ヴィクトリアM)をコンプリートさせた。
道中は隊列のちょうど真ん中、中団の外でスムーズに流れに乗った。迎えた直線。ライバルが懸命にスパートをかける中、ルメールの手綱は動かない。ゴーサインは残り1F手前。鞍上の合図にギアがググッと上がる。「加速がすごかった。気持ち良かった」。歴戦の名手をも魅了した、上がり3F32秒6の鬼脚。一瞬にして後続を4馬身突き放した。
東京では久々にファンの前で行われたG1。場内からは勝者をたたえる大きな拍手がわき上がった。ウイニングランで何度も右手を上げて声援に応えたルメールは、「やっぱり強かったですね」と、単勝1・3倍という重責を果たして安どの表情。「レースごとに乗りやすく、賢くなっている。自分の仕事をよく分かっていて乗るのが楽になった」と、相棒の成長力を圧勝の要因に挙げた。
第1回をダンスインザムードで制し、今回がレース2勝目となった藤沢和師は「直線で長い間、馬なりでしたし、いい競馬だったと思います」と満面の笑み。次はもちろん、連覇が懸かる安田記念(6月6日・東京)が有力となるが、指揮官も「そのあたりになると思います」と意欲を見せた。
前走の大阪杯で4着に沈んだうっぷんを晴らす圧勝劇。秋をにらみ、改めて距離についてルメールは「良馬場なら。ポテンシャルは高いのでG1レベルの2000メートルも勝てると思います」と力強いコメント。藤沢和師も「前回(大阪杯)はスタンド前発走でしたが、府中の2000メートルはもちそうな気がします」と天皇賞・秋(10月31日・東京)を意識。さらなる高みへ視線を向けつつ、その前に3週間後、再び同じ舞台で最強の走りを見せる。
提供:デイリースポーツ
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