鉄棒に専念して3大会連続の金メダルを狙った内村航平(32=ジョイカル)の五輪が終わった。3つの離れ技を成功させた後にひねり技で落下。13・866点で予選落ちが決まった。

得点を確認すると、サブ会場にいったんは戻ったが、約20分後に着替えを終えてフロアに戻ると、団体戦、個人戦を戦う日本代表の仲間のもとへ。あん馬を控えた同学年の亀山耕平をグータッチで激励する姿があった。

悲鳴を上げる肉体から、鉄棒に絞る苦渋の決断を下し、スペシャリストという新たな挑戦の末にたどり着いた舞台だった。大きな落胆を抱えるような状況でも、気丈に振る舞い、戦う仲間を支える姿があった。

「何かと五輪について伝えていく立場になるのかなと思います」。団体を戦う初出場の4人の後輩へ唯一無二の経験に基づいた助言を積極的にしてきた。自らの戦いが終わった直後でも、その使命感は変わらなかった。