Search

清水希容「気持ちが先走りすぎた」 悔しい銀メダル 空手女子形 - 毎日新聞 - 毎日新聞

女子形で2位となった清水希容の演武=日本武道館で2021年8月5日、宮武祐希撮影 拡大
女子形で2位となった清水希容の演武=日本武道館で2021年8月5日、宮武祐希撮影

 東京オリンピック第14日は5日、新競技・空手の女子形が日本武道館で行われ、初出場の清水希容(きよう、27歳)=ミキハウス=が銀メダルを獲得した。東京大会から追加競技として採用された空手で、日本勢のメダルは初めて。

 「チャタンヤラクーサンクー」。清水は自らの勝負の形名を叫んだ後、たっぷり間を置いて、一点の曇りもない表情で、演武を始めた。5秒の間に8度の突きと受けを演武する冒頭の見せ場は落ち着いていた。決勝に懸ける強い思いが徐々にリズムを乱していく。「気持ちが先走りすぎた」。完璧に見えた演技でも、腰がわずかに浮き、動作間の緩急が弱くなった。終わった後は「自分の納得いく演技ができなかった」。後悔の念が先に立った。

 相手は世界ランキング1位のサンドラ・サンチェス(スペイン)。スピードの清水、力強さのサンチェスは互いの個性を生かした演武で実力伯仲だ。切磋琢磨(せっさたくま)し、2019年の国際大会決勝では史上初の同点再演武となるなど、何度も名勝負を演じてきた。19年の得点はともに27・68点。この日は清水が27・88点で、サンチェスが28・06点。2人とも得点を伸ばしたものの、サンチェスが上回った。技術点は同点で、力強さなどを評価する競技点の差が明暗を分けた。

女子形で2位となり厳しい表情を見せる清水希容(左)=日本武道館で2021年8月5日、宮武祐希撮影 拡大
女子形で2位となり厳しい表情を見せる清水希容(左)=日本武道館で2021年8月5日、宮武祐希撮影

 見えない敵を仮想して攻防を鍛錬し、演武の出来栄えを競う形。清水は自分の演武をすることに集中していた。得意とする連続した突きは指先までピンと伸び、準決勝で見せた両足を抱え込んで跳び上がるジャンプの着地もピタリと決めた。午前中の予選、準決勝では3度演武したが、自らの得点はあえて見なかった。

 21年2月から4カ月間、世界選手権3連覇中で「絶対王者」の喜友名諒と沖縄で一緒に練習した。スピードとキレのある自らの演武をいかに出し切るか。最後に立ち返ったのは原点だった。日々自らが強くなることのみを追い求める先輩を見て、勝ちたい気持ちが強すぎ、あれもこれもと悩んでいた迷いは吹っ切れた。

 18年以降は発祥国の日本代表として負けられない重圧を強く感じ、自滅することも多かった。「自分らしい演武ができたのは財産。自分をほめてあげたい」と思えた部分もあった。それでもやっぱり悔しさが募る。「金メダルが良かった。気持ち良く終わりたかった」【松本晃】

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細
https://ift.tt/2X0u1qH
スポーツ

Bagikan Berita Ini

0 Response to "清水希容「気持ちが先走りすぎた」 悔しい銀メダル 空手女子形 - 毎日新聞 - 毎日新聞"

コメントを投稿

Powered by Blogger.