プロ野球・中日の新しい監督に球団OBで「ミスタードラゴンズ」と呼ばれた立浪和義氏の就任が決まり、29日に行われた会見で「私の使命はチームを強くすることだ。選手には勝ちに対する執念を植え付けたい」と意気込みを語りました。
中日は今シーズン、チームの得点が12球団最低と攻撃陣が振るわずリーグ5位に終わり与田剛監督が成績不振の責任を取って退任しました。
大島宇一郎オーナーが29日午前、名古屋市内のホテルで正式に監督就任の要請を行い立浪氏はこれを受諾しました。
立浪氏は大阪府出身の52歳。
中日にドラフト1位で入団し、走攻守そろった選手として中日一筋で22年間プレーし「ミスタードラゴンズ」と呼ばれました。
通算2480安打はプロ野球歴代8位のほか、二塁打487本はプロ野球記録です。
午後に会見を行った立浪氏は「引退してから12年、中日でずっと指導者になりたいと思っていてようやくスタートラインに立てた。私の使命はチームを強くすることだ。私やチームに対する期待が大きいのはひしひしと感じている。少しでも多くのファンに球場に来てもらえるような魅力あるチームを作りたい。はじめからうまくいくとは思っていないが期待に応えられるように監督として頑張っていきたい」と意気込みを語りました。
今シーズン5位に終わったチームの立て直しについては「野球は8割が投手だ。今シーズンもよかったと言われた投手陣も、もう一度整備するとともに、1年間打てないと言われた打撃のほうは必ず何とかする。そして勝つためには妥協をしない」と決意を述べました。
さらに「選手には負けた時に本当に悔しがって反省するような勝ちに対する執念を植え付けたい。そしてわかりやすく、迷わせないような指導をしていきたい」と選手への思いを語りました。
会見に同席した大島オーナーは「立浪新監督のもとで勝負強いチームになることを期待したい」と話していました。
球団は立浪氏と複数年の契約を結んだということです。
中日は来月4日からナゴヤ球場で秋季練習を行うことになっていて、立浪氏のチームの立て直しに向けた動きがスタートします。
立浪新監督とは
PL学園のキャプテンとして甲子園で春夏連覇を達成し、ドラフト1位で中日に入団しました。
1年目から開幕戦に「2番・ショート」で先発するなど110試合に出場してリーグ優勝に貢献し、新人王と、高校卒業のルーキーでは初めてとなる「ゴールデン・グラブ賞」を受賞しました。
身長1メートル73センチとプロ野球の世界では小柄ながら、走攻守そろった選手として中日一筋で22年間プレーし「ミスタードラゴンズ」と呼ばれました。
プロ通算2480安打はプロ野球歴代8位のほか、二塁打487本はプロ野球記録です。
またベストナインに2回、ゴールデン・グラブ賞はショート、セカンド、サードの3つのポジションで合わせて5回受賞しました。
引退後は評論家などを務めてきましたが、ことし2月に中日の春のキャンプに臨時コーチとして招かれ、自身のバッティング理論を熱心に指導していました。
課題は得点力不足の解消
投手陣はチーム防御率が3.22とここまで12球団トップなのに対して、攻撃陣は打率が2割3分7厘とリーグ最低で、得点405、ホームラン69本はいずれも12球団ワーストでした。
課題の得点力不足の解消へ、立浪新監督には若手を含めた野手陣の打撃力アップが求められます。
ことし春のキャンプで臨時コーチを務めた際には、自身と同じ左打ちで選手会長の京田陽太選手や、3年目の根尾昂選手などを中心に多くの選手を熱心に指導する姿が目立ちました。
卓越したバッティング理論を持つ立浪新監督がいかに選手たちを指導・育成して得点力アップにつなげていくか、その手腕が注目されます。
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