◇国内男子◇アジアパシフィックダイヤモンドカップゴルフ 最終日(16日)◇相模原ゴルフクラブ 東コース(神奈川県)◇7298yd(パー72)
星野陸也が有言実行で勝ちきった。7月の海外メジャー「全英オープン」(イングランド・ロイヤルセントジョージズGC)出場には優勝しかないと自らを鼓舞して臨んだ、25歳の初戦。「自分で優勝すると決めて優勝できたことがうれしい。いやー、やり切った感がメチャクチャあります。自分の中でよく頑張ったなって」。優勝特典の全英切符を手にし、満面の笑みで言った。
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強風が吹き荒れ、途中から雨まで降りだした前半を3アンダーで駆け抜けた。「自分の中で完璧なゴルフができた」。最終組でともにプレーした浅地洋佑も「陸也があの風の中で伸ばして“お手上げ”状態。前半のプレーを見ていたら(このままいけば)絶対に勝てないと思った」と振り返る。
後続に5打差で入った後半、チャンスホールの11番(パー5)から2連続ボギーをたたいた。次は345ydと短いパー4の13番。1Wを握りしめることで、揺れ動く気持ちを奮い立たせた。「雨が降ってきて、フォローの風も弱まっていた。刻むか狙うか迷ったけど、2位との差があったとしても攻めなくちゃいけない、と」。グリーン手前まで運び、最後は奥から4mを沈めてバーディとしガッツポーズ。続く14番もバーディを獲り、終わってみれば「69」で4打差の圧勝だった。
若手のホープとして期待を背負い、順調にステップアップしてきたが、そんな星野の世界ランキング(100位)を金谷拓実(同76位)が猛烈なスピードで追い抜いていった。学生時代には日韓対抗戦で同じチームになり、圧倒的な成績を収めてMVPに輝いた姿を鮮明に覚えている。
池田勇太と激闘を繰り広げた2017年「日本オープン」もテレビで釘付けになる側。「自分がプロになって優勝しても、金谷君はアマチュアで優勝して、プロになってもすぐ優勝して…」。学生のときからリスペクトしていた“年下のすごいヤツ”は想像を超えるとんでもない選手だった。「負けていられない」と闘志に火が付いた。
金谷がすでに出場権を持っていた次週の海外メジャー「全米プロゴルフ選手権」(サウスカロライナ州キアワアイランド)の招待状が届いたのは今週のこと。「全英」も同じ舞台に立つことになり、国内ツアーの賞金レースでは金谷を抜いて1位に浮上した。
「メジャーでしっかり自分のゴルフを出せるように。(国内では)賞金王を目指すことで(成績に比例して)世界ランキングも上がる。世界ランク50位以内にこだわって、マスターズに出場して、世界の舞台で活躍することを目指したい」。若き才能の切磋琢磨が、日本ゴルフ界の次世代を築いていく。(神奈川県相模原市/亀山泰宏)
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