
思い描いたレースを実践しチームトップ
陸上自衛隊立川駐屯地の周回コース、計21.0975kmの争いとなった今年の箱根駅伝予選会。冷たい雨が降りしきるなか、「転倒しないように注意し、1kmを3分かからないくらいのペースを心がけていました」という木村は、大集団のなかでも序盤からリズムをつかみ、その言葉どおりの走りを実践してみせた。20kmまでの5kmごとのラップは、14分48秒、14分56秒、14分50秒、14分54秒。最後も力を振り絞り1時間02分44秒、チームトップ(全体44位)でフィニッシュした。第20回大会(1939年)の優勝チームでもある古豪の、7年ぶりの箱根路復帰に大きく貢献した。 「まずは専修大を応援して下さった方、ありがとうございます。コロナ禍において今回の予選会を開催していただいたこと、また学校側もたくさんのフォローしていただいたので、僕らは恵まれた環境で(予選会に向けて)走れたと思います」
“太陽的な存在”目指して名門高校から専修大へ
木村は、男子マラソン日本記録保持者の大迫傑(Nike)と同じ長野の名門・佐久長聖高出身。高校1、2年時はケガ続きで思ったような活躍ができなかったが、高校3年になってからようやく力を発揮できた選手だ。自身初の大舞台となった昨年12月の全国高校駅伝では6区区間3位でチームの3位入賞に貢献。今年1月の全国都道府県対抗男子駅伝では長野県代表として4区に出走、チームを15番手から8番手に押し上げる区間2位の好走で後続につなぎ、チームの史上最多優勝回数を8に伸ばすキーマンとなった。 進路については当然、箱根駅伝の強豪校も視野に入れていたが、「箱根駅伝に出ていないチームを自分の力で持ち上げるような“太陽的な存在”、灯りのような存在になれれば」という理由から専修大に進学を決めたという。 同学年にはすでにトラックでも活躍し、この予選会で日本人トップ(全体5位)となった三浦龍司(順大)や同6番手(全体10位)の吉居大和(中大)ほか、シード校の駒大で存在感を発揮している高校時代のチームメイトである鈴木芽吹(駒大)ら、逸材が多い。今回の予選会、木村は、三浦、吉居も含めて1年生のなかでは6番手。走る相手は学年に関係なく皆ライバルだが、やはり同学年の存在は特に意識している。 「高校時代は、ケガして負けてたのがすごく悔しかったので、大学では絶対にリベンジ、特に同期には負けたくないと思ってやってきました。今回、自分も少しはつめ痕を残せたと思うので、ここから一気に追い上げていきたいと思っています」 今年の専修大のチームスローガンは「伝統への挑戦」。この7年、積み重ねてきた良い部分を継承しつつ、「結果を残せなかった部分を壊し、新しい専修大として伝統を築く」(主将の茅野雅博)という思いが込められたもの。本戦出場を決めたが、チームにとっても、木村にとっても、ここがゴールではない。 「本大会に出場できる権利を得ましたが、ただ出て終わるのではなく、しっかり勝負できることを第一目標にしていきたい。今回は集団で21km走る経験を通して、考えながら走ることの意味を理解できたと思うので、本大会では1区を走ってみたいです」 本大会ではどのような走りを見せてくれるのか。また一人、魅力的なルーキーが名乗りを挙げた。 文/牧野 豊
陸マガ編集部
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