今週末の天皇賞(秋)に出走するアーモンドアイ(牝5歳、美浦・国枝栄厩舎)。勝てば同レース連覇となるばかりでなく、JRA史上初の芝GI・8勝目という偉業達成となる。
前走の安田記念(GI)ではグランアレグリアの2着に敗れたが、この敗因を、管理する国枝調教師は次のように分析する。
「1600メートル戦で後手を踏んでしまった上、グランアレグリアのようなあの距離に適性のある馬に強い競馬をされると、さすがのアーモンドアイでも厳しくなる。そういう結果だったと思います」
そう言うと改めて「正直、この馬に1600メートルは少し忙しい」と続けた。
アーモンドアイはここまで13戦して9勝。つまり4度敗れているわけだが、2500メートル戦で折り合いを欠いた有馬記念以外は全て1600メートル以下。新馬戦では1400メートルで2着に敗れたように、やはり距離が短くなればなるほど、力を発揮出来ずに終わってしまう可能性が高くなる。この点を指揮官に突っ込むと、こう答えた。
「そうですね。そのあたりは(主戦の)ルメールも言っているけど2000メートルくらいの方が競馬をしやすいと思います。この距離なら多少の不利があっても挽回出来ますからね……」
今年は正真正銘、何も不安がない
実際、昨年のこのレースでは2着のダノンプレミアムに3馬身の差をつけて圧勝している。当時と比べて今年の状態はどうなのかを問うと、次のような答えが返って来た。
「取り立てて騒ぐほどの事ではなかったので記事にならなかっただけで、正直、昨年は細かいところで不安がなかったわけではありません。それを考えると今年は正真正銘、何も不安がありません。昨年以上に順調と考えてもらって構いません。
違うとすれば、今年は体がグンと増えている点でしょうか。でも、太いというのではなく、更に成長している感じなのでプラス体重を心配する必要はありません」
この中間は放牧に出されていた。厩舎の先輩3冠馬であるアパパネの場合、ほとんど放牧に出されず休養期間も厩舎で過ごしており、そういう意味でのアプローチは違っている。
「アパパネの場合、オーナーの金子さん(名義は金子真人ホールディングス)の希望もあって厩舎に置いたままにしていました。アーモンドアイは放牧に出ているけど、取り立てて2頭に違いがあるというわけではありません。どちらも強い馬なのは間違いありませんから」
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