8番パー3でホールインワンを達成した渋野日向子(21=サントリー)は、1イーグル、1バーディー、3ボギーの72、イーブンで首位と5打差の32位につけた。ホールインワンは、8番アイアンでピン手前3メートルにキャリーさせ、カップに転がり込むスーパーショット。思わず「オーッ」と声を上げ、驚きの表情を見せた後に、笑顔を見せてキャディーと肘タッチを交わした。その場面を振り返り「ピンよりも奥に行ってもいいと思って8番アイアンを持ったら、まあ、うまいこといきました」と、再び笑って振り返った。

同じパー3の4番で、ティーショットの際の距離感が合わずにグリーンに届かなかった。「あれだけショートしたので『(ティーを)差さずにやろう』と思った」と、地面から直接、8番アイアンを振り抜いて奪った、18年アース・モンダミン・カップの第1日(9番)以来、プロ2度目のホールインワンだった。「音でホールインワンと分かった。カップに入る『コロン』という音で。ギャラリーさんがいなかったからこそ聞こえた音。すごく不思議な感じ」と、新型コロナウイルス感染症対策で、無観客開催ならではの静けさの中での一打を振り返った。

ただ、これで終わらないのが渋野だった。今回がプロでは2度目、アマチュア時代を含めると人生5度目のホールインワンだという。「(達成したのは練習などではなく)全部試合です。『持ってる』と言いたいんですけど…」。こう切り出すと、過去4回のホールインワンを達成した試合は「全部予選落ちですね。ハハハッ。いいことないですね」と、オチをつけた。それでも「4回失敗しているので、さすがに今回は予選を通過したい」と、笑いながら“五度目の正直”へ、気持ちを新たにしていた。