大相撲11月場所(8日初日、東京・両国国技館)を最後に定年を迎える高砂親方(元大関朝潮)が4日、都内の部屋でリモート会見に出席した。

12月9日に65歳の誕生日を迎える心境について「あまりやり切ったとか、今場所で終わるとかの感覚はない。高砂という名前が変わるときにそう感じるんじゃないか。(定年を迎える前日の)8日で終わりだから、それまでに誰を後継者にするか決めないといけない。(やり残しは)別にないかな。あまり欲をかくのは良くない。腹八分くらいがちょうどいい」と柔和な笑顔を見せた。今後は名跡を変更して、協会に残るという。

「大ちゃん」の愛称で人気を集め、現役時代はぶちかましを武器に85年春場所で悲願の初優勝を果たした。引退後は年寄山響を襲名して高砂部屋付きの親方として後進を指導。その後は若松部屋、高砂部屋を継承して、師匠として多くの力士を育てた。

長い師匠人生での苦労を問われると「いろんな問題を起こす横綱もいた」と、かつての弟子である第68代横綱朝青龍に触れた。25回の優勝を積み重ねながら、数々の問題行動で引退。高砂親方は「かばうにもかばいきれない。自業自得。本人にそう言っておいて」と苦笑いを浮かべた。

定年が迫る中で、近大の後輩でもある朝乃山(26)が昨年夏場所で初優勝、今年3月には大関昇進を果たした。輪島以来となる学生出身の横綱誕生へ「先(秋)場所のように初日から3連敗はやめてほしい。攻めの相撲と右四つのかたちをつくってもらいたい」と話した。