名手の勢いが止まらない。マイルチャンピオンシップが22日、阪神競馬場で17頭によって争われ、断然人気のグランアレグリアが好位から鋭く伸びて快勝。GI3連勝で、史上8頭目の同一年春秋マイルGI制覇を成し遂げた。鞍上のルメール騎手も天皇賞・秋、エリザベス女王杯に続くGI3連勝を飾り、アーモンドアイで挑む29日のジャパンC(東京、GI、芝2400メートル)へ弾みをつけた。今秋のGIは、これで6戦全て1番人気馬が勝利。2着は昨年の覇者インディチャンプが入った。
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異次元の末脚だ。断然人気のグランアレグリアが、安田記念、スプリンターズSに続くGI3連勝を決め、史上8頭目の同一年春秋マイル王に輝いた。
「きょうはグランアレグリアのおかげで勝つことができました。本当に強かったし、とても速かった。彼女はめちゃくちゃ強くなりました。素晴らしい馬です」と自身もGI3連勝のルメール騎手が褒めたたえる。
好位5番手から抜群の手応えで直線に向いたが、他馬の厳しいマークを受けて前がなかなかあかない。それでも、残り200メートルあたりで外へ持ち出されると一気にスパート。先に抜け出した昨年の覇者インディチャンプを並ぶ間もなくかわした。3/4馬身という着差以上の強さ、鞍上の冷静な手綱さばきが光った。
「(直線で)渋滞にあったけど、それも競馬。彼女の強さはよく知っているし、勝つ自信を持った。このメンバーのレベルで、あれだけの脚を使えるのは珍しい。まだ信じられません」と名手も目を丸くするほどの走りだった。
昨春の桜花賞を制覇。早い時期から高い能力を見せてきたが、その後の精神面の成長が飛躍につながっている。「3歳の頃はテンションが高かったけど、大人になった。乗りやすくなり、最後にフルパワーを使えるようになった」と主戦ジョッキーは進化を口にする。
この後は休養に入り、来年に備える見込み。新型コロナウイルスの感染拡大などの事情を考慮して東京競馬場で観戦した藤沢和調教師は「1600メートルは上手に走れるようになってきましたし、距離はもう少し延ばしたいなと思っています」と今後の見通しを語る。鞍上も「距離を延ばしてもいけそう。絶対トップレベルで走れる。まだ4歳だし、来年もとても楽しみ」と笑みを浮かべた。
ルメール騎手は今週、ジャパンCにラストランとなるアーモンドアイで挑む。「(GI勝利が)連続すぎるし少し心配しますね(笑)」と冗談を交えつつ「楽しみにしています」と世紀の一戦に期待を膨らませる。
これでJRA賞最優秀短距離馬が当確となったグランアレグリア。ディープインパクト産駒の快速女王は来年、さらなる高みを目指していく。(斉藤弘樹)
■グランアレグリア 父ディープインパクト、母タピッツフライ、母の父タピット。鹿毛の牝4歳。美浦・藤沢和雄厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)サンデーレーシング。戦績10戦7勝。獲得賞金7億2021万5000円。重賞は2018年GIIIサウジアラビアRC、19年GI桜花賞、GII阪神C、20年GI安田記念、GIスプリンターズSに次いで6勝目。マイルCSは藤沢和雄調教師が1993年シンコウラブリイ、97&98年タイキシャトル、2001年ゼンノエルシドに次いで5勝目、クリストフ・ルメール騎手は初勝利。馬名は「大歓声(スペイン語)」。
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