<テニス:全豪オープン>◇10日◇メルボルン◇女子シングルス2回戦
2度目の優勝を狙う世界ランキング3位の大坂なおみ(23=日清食品)が全豪通算17勝目をあげ、伊達公子を抜いて全豪での日本女子歴代勝利数単独2位に浮上した。元世界4位で同43位のカロリーヌ・ガルシア(フランス)に6-2、6-3でストレート勝ち。今大会自身最速の時速195キロのサーブも飛び出し、1度もブレークポイントさえ与えなかった。3回戦では同30位のジャブール(チュニジア)と対戦する。両者は初対戦となる。
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試合中に、観客席から男性の「愛している!」の声援が大坂に飛んだ。試合後、勝利者インタビューで、満面の笑みで「ありがとう」と返した。世界を魅了するテニスで、ファンの心をわしづかみ。わずか61分の快勝で、元世界4位にプレーをさせなかった。
弾道が一直線の豪打のサーブから、横回転、縦回転など、多彩なサーブを交え相手をくぎ付けにした。「何をしてくるか分からない難しい相手」と警戒していただけに、サーブで先手必勝だ。
「ボン!」。第2セットの4-2リード、自分のサービスゲームの1ポイント目で、とんでもない打球音が響いた。サーブで時速195キロ。今大会自身最速をマークし、S・ウィリアムズの200キロに次ぐ2番目の速さだった。そのサーブで、1回戦では2本しかなかったエースが、この日は10本。サービスゲームを落とさないどころか、1度もブレークポイントを与えずに、スコア以上の力の差を見せつけた。
この1勝で、1回戦で記録した自身の最多連勝記録を16に伸ばした。昨年8月の全米前哨戦から、試合前の棄権2回を含み、試合をすれば負けなしの状態が続く。それも、すべて得意なハードコートで、連勝が止まるような死角は見当たらない。これで、全豪の通算勝利は17となった。勝利数で並んでいた伊達公子を抜き、日本女子歴代2位に浮上。杉山愛の持つ最多19勝にあと2勝と迫った。4回戦進出で並び、ベスト8進出で、全豪の日本女子歴代最多勝利となる。
4大大会の通算勝利も47とし、日本歴代3位の沢松奈生子に並んだ。すでに4大大会3度の優勝を成し遂げたことで、日本女子が過去に残した戦績を飛び越えてはいるが、ネット際や球をボールボーイからもらうときのぺこりとしたお辞儀も含め、大坂らしさは、随所にみてとれる。
次戦の相手ジャバーは、昨年の全豪で8強入りした強豪だ。身長167センチと決して上背はないが、何でもできるオールラウンダーでファイターだ。「気が抜けない相手」と警戒するが、その進撃は止まる気配を見せない。【吉松忠弘】
◆放送 WOWOWで全日生放送、同時配信される。
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