フィギュアスケートの4大陸選手権は20日、タリンで開幕し、アイスダンスのリズムダンス(RD)で村元哉中(かな)、高橋大輔組(関大KFSC)は冒頭で転倒したものの72・43点で2位につけた。
独特な和のプログラム「ソーラン節」の音色が流れ始めた直後のことだった。思わぬところで村元が膝をついた。
村元が上げた脚を高橋がくぐるようにしてすり抜ける場面だったが、「僕が一歩出遅れて、潜り込むタイミングが合わなかった」と高橋。昨年12月の全日本選手権に続いてリズムダンスで転倒し、表情は硬かった。
それでも村元が「世界と戦えるんだなと思った」と自信を深めたように、初の主要国際大会でリフトは最高評価の「レベル4」。ツイズル(素早いターン)やステップも丁寧に滑りきった。冒頭でミスをしても立て直したことについて、村元は「2年目という経験があるのかな」と振り返った。
2010年のバンクーバー五輪男子銅メダリストで、シングルから転向した高橋にとっては男子時代の13年以来、9年ぶりに出場した4大陸選手権。リズムダンス後の記者会見で「懐かしい。でも、アイスダンサーとして挑むのは初めてだったので。なんかすごく新鮮な気分だったりもした。『選手権』という舞台にアイスダンサーとして戻って来られるとは、9年前は想像できなかった。9年後の今の自分としては、ものすごく幸せ」と高橋が喜びを語ると、記者会見に同席した他の選手から、拍手でたたえられる場面もあった。
「かなだい」として初の主要国際大会の表彰台は手の届くところにある。21日のフリーに向けて高橋は「表彰台を狙える位置にはいると思うが、それ以前に自分たちのベストを尽くさないと、結果につながらない。(フリーは)落ち着いて、丁寧に、一つ一つのエレメンツ(要素)をやっていけたら」と決意を込めた。【倉沢仁志】
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