ボクシングWBAスーパー、IBF世界バンタム級王者の井上尚弥(28=大橋)が、世界4階級制覇王者で現WBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(32=志成)との日本人対決に興味を示した。14日、東京・後楽園ホールで開催されたWOWOWイベント、エキサイトマッチ30周年記念・リングサイド会議SP「黄金の中量級」にゲスト参加。収録後の取材で、将来的に実現したい日本人対決として名前こそ出さなかったものの、井岡との将来的な対戦実現を希望した。
井上は「自分はバンタム級からは下げられないです」とした上で「自分もキャリア後半に入るし、どこかで耳にした5階級制覇を目指すというコメントも期待しつつ、自分はそこに向けて22年は発言していってもいいかな」と口にした。既に所属ジムの大橋秀行会長とも井岡戦への話が挙がっているという。
「(井岡側から対戦するという)話がくればですよ」と前置きしながらも、井上は「この戦いもデビューしてからファンの方がひそかに楽しみにしているという声を聞いている。盛り上がるのであればありかな」と笑顔。井岡の動向次第では日本人対決に臨む姿勢を示した。
昨年大みそかの井岡の4度目防衛戦となる福永亮次(角海老宝石)との日本人対決もチェックしたという。判定勝ちで防衛成功した井岡に対し、井上は「見た印象? 自分とはボクシングに向き合う形は違うかな。それだけです。技術とかは高く評価していますが、向き合う気持ちですかね。そこの違いは感じた一戦ではありましたね。『見たくなければ見なくていい』という(井岡の)発言もありましたが、ボクシングへの向き合い方は人それぞれですから」とも口にした。
22年に照準を合わせる目標として「4団体統一、それと(スーパーバンタム級に上げて)4階級制覇を目指したいこともあります」という大前提はあるものの、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」などの影響次第で、新規外国人の原則入国禁止が続いた場合には必然的に日本人対決にならざるを得ない。しかし井岡側もIBF世界スーパーフライ級王者ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)との王座統一戦の交渉を続け、将来的な同級4団体統一を目指している。ただ今回の井上の発言によって両者の動向には注目が集まりそうだ。
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