トヨタ自動車 代表取締役社長の豊田章男氏は、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamの新世代ハイブリッドラリーカー「GRヤリス ラリー1」のデビュー戦の結果についてコメントを発表した。
2022年WRC(FIA世界ラリー選手権)第1戦ラリー・モンテカルロの結果は、フォード PUMA ラリー1の19号車セバスチャン・ローヴ/イザベル・ガルミッシュ組が優勝。総合2位にGRヤリス ラリー1の1号車セバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラス組、総合3位にフォード PUMA ラリー1の42号車クレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル組という結果となった。
GRヤリス ラリー1については、69号車カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組が総合4位、GRヤリス ラリー1の33号車エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組が総合21位でフィニッシュ。TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team Next Generationから出場した勝田貴元選手も総合8位となり、ポイントを獲得。GRヤリス ラリー1の全車が完走した。
TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのチームオーナーである豊田章男氏は、デビュー戦を終えたGRヤリス ラリー1について「力は強いけど扱いには繊細な配慮が必要……」との印象を話し、オジエ選手に対しては、「そんな“ちょっと気難しい奴”とも、セブはすぐに仲よくなってくれていたみたいでした。誰とでもすぐに仲よくなれるセブを尊敬します」などと感想を話した。豊田社長が発表したコメント全文は以下のとおり。
TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamチームオーナー 豊田章男氏のコメント全文
セブ、惜しくも9度目のラリー・モンテカルロ優勝に届かなかったけど、新たな相棒のベンジャミンとのスタートは手応えがありそうでよかったです。我々が準備した新たな相棒“GRヤリス ラリー1”とのドライブもフィーリングは悪くなさそうでした。持続可能なラリーを目指す新レギュレーションにより電動化された新たな相棒は「力は強いけど扱いには繊細な配慮が必要……」という感じだったかと思います。そんな“ちょっと気難しい奴”とも、セブはすぐに仲よくなってくれていたみたいでした。誰とでもすぐに仲よくなれるセブを尊敬します。
また、歴史と伝統ある世界ラリー選手権が、電動化・新燃料というカーボンニュートラルの実現に向けて進みだしたこと、FIAのリーダーシップ、準備に携わられたプロモーターなど関係された全ての皆さまに敬意を表します。他のドライバーたちも新しい相棒との相性に少し苦労していましたが、Day3では全てのSSで誰かがベストタイムを出してくれていました。毎戦毎戦、みんなとGRヤリス ラリー1が、どれだけ仲よくなっていくか……今シーズンのWRCは新しい楽しみが増えました。ただ、サービスから静かに出ていくラリーカーの姿には、まだ、少し物足りなさを感じてしまいます(笑)。
今までのベース車はヤリスでした。今年からはGRヤリスです。「モータースポーツで勝つための市販車をつくろう」そう言いながら、久々に自分達の手でつくることができたスポーツカーです。今回、そのクルマがやっと本当の戦いの道を走り出しました。本当に嬉しいです。一緒にGRヤリスをつくってきたみんなにもお礼を言いたいと思います。そのGRヤリスから”GRヤリス ラリー1”をつくったメンバーも相当の苦労をしたと聞いています。ヤリ-マティの下で心をひとつに頑張ってくれたフィンランドのみんな、そしてケルンからもサポートしてくれたメンバーにも、心からのお礼を言わないといけません。本当にありがとう!シーズンははじまったばかりですが、これからもよろしくお願いします。
ファンの皆さま、今シーズンもTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamを応援いただきありがとうございます。引き続き、応援よろしくお願いいたします。
トヨタ自動車株式会社 代表取締役社長 豊田章男
追伸
エルフィンと貴元がコースオフをした時、崖から一緒にクルマを引き上げてくれた沿道のファンの皆さま。SNSでその様子をみました。皆さまの力で2台は走り続けることができました。ありがとうございました!
ラリー・モンテカルロの結果(現地時間1月23日16時30分時点のリザルト)
1位:セバスチャン・ローヴ/イザベル・ガルミッシュ(フォード PUMA ラリー1)
2位:セバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラス(トヨタ GRヤリス ラリー1)
3位:クレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル(フォード PUMA ラリー1)+1m39.8s
4位:カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン(トヨタ GRヤリス ラリー1)
5位:ガス・グリーンスミス/ヨナス・アンダーソン(フォード PUMA ラリー1)
6位:ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ(ヒュンダイ i20 N ラリー1)
7位:アンドレアス・ミケルセン/トシュテン・エリクソン(シュコダ・ファビア Rally2 evo)
8位:勝田 貴元/アーロン・ジョンストン(トヨタ GRヤリス ラリー1)
9位:エリック・カイス/ペトル・テシンスキー(フォード フィエスタ Rally2)
10位:ニコライ・グリアジン/コンスタンティン・アレクサンドロフ(シュコダ・ファビア Rally2 evo)
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