海外、国内のフリーエージェント(FA)権を行使した選手が5日、公示された。DeNAから国内FA権を行使した井納翔一投手(34)に対し、巨人とヤクルトが交渉解禁日となる6日に即日交渉を行う。ヤクルトから国内FA権を行使した小川泰弘投手(30)については、日本ハムが獲得に乗り出す。実力ある先発右腕を巡り、各球団が本格的に動きだす。
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巨人が、得意の即日アタックを決める。国内FA権を行使した井納と交渉解禁日に初交渉を行うことが判明した。先発と中継ぎでフル回転でき、人的補償のないCランクに分類される右腕獲得に向け、慎重に調査を進めてきた。ヤクルトも同日に交渉する見込みだが熱意を伝え争奪戦を制す。
投手強化の課題克服にうってつけのピースを速攻で埋めにいく。今季の2ケタ勝利は14勝の菅野だけで、続いたのは高卒2年目で9勝の戸郷。菅野はポスティングシステムの申請手続きを取る意向だ。持ち場不問、150キロ超の直球にスライダーやフォークボールを武器にプロ8年間で50勝を挙げた「ハマの宇宙人」の加入は絶好の補強となる。
巨人は過去、FAで26選手を獲得した。そのうち17年にDeNAから加入した山口(現ブルージェイズ)ら6選手に対し解禁日にラブコールを送り、思いを実らせてきた。2年総額2億円規模を準備し、即日に思いの丈をぶつけ、一気に「巨人井納」誕生への道筋をつけていくシナリオ。同じく獲得調査を進めてきたDeNA梶谷隆幸外野手(32)とも近日中に初交渉を行う。
◆巨人の即日交渉 過去7度、FA交渉解禁日にアタックを実行。熱意をいち早く伝え、6人を振り向かせた。
05年に中日からFA宣言した野口には、清武球団代表(当時)が名古屋まで乗り込み交渉。宮崎で秋季キャンプ中の原監督も電話でラブコールを送り、登板機会に飢えていた野口に「自分の気持ちの中でも大きなものでした」と言わしめた。16年のDeNA山口には、堤GM(当時)が、16年シーズンで5完投3完封を挙げたタフネス右腕の必要性を熱弁。高橋監督も電話で参戦してたたみかけ、口説き落とした。
即日交渉が実らなかったのは、19年の楽天美馬だけ。原監督が直接出馬して思いを伝えたが実らず、美馬は熟考の末にロッテ入りを決断した。
◆解禁日 資源保護などの理由で、主に食文化の世界で設定される。縁起物のご祝儀で高値がつくことが多く、11月6日の越前ガニ漁解禁日、11月第3木曜日に販売解禁となるフランス産ワイン、ボージョレ・ヌーボーなどが有名。渓流、アユ釣りなどにも解禁日が指定されており、太公望が心待ちにしている
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