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紀平 圧巻連覇!日本人シニア初の4回転サルコー成功「凄いうれしい」 - スポニチアネックス Sponichi Annex

フィギュアスケート 全日本選手権最終日 ( 2020年12月27日    長野市ビッグハット )

<全日本フィギュアスケート選手権最終日>女子フリー、演技を終えガッツポーズをする紀平梨花(撮影・小海途 良幹)
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 女子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)首位で18年GPファイナル女王の紀平梨花(18=トヨタ自動車)が、4回転サルコーを日本人シニアとして初成功させ154・90点をマーク。SP、フリーともトップで合計234・24点で大会連覇を達成した。練習拠点をスイスに移して磨いた技術を存分に発揮し、来年3月の世界選手権(ストックホルム)の出場権を獲得した。

 演技が終わると、紀平は重圧から解き放たれるように両手でガッツポーズを見せた。今季初戦が全日本の大舞台。実戦で初披露となった「Baby, God Bless You」を優雅に、力強く演じ切り、連覇を達成した。「まずは決めたい4回転サルコーがきれいに決まったのが凄いうれしい。たくさんの方に感謝を伝えられる演技ができた」と笑顔を見せた。

 ついに大技を決めた。冒頭の4回転サルコー。「やらないという選択肢はなかった。挑戦する気持ちでずっと過ごしていた」。ゆったりとした踏み切り動作から、一気に回転に入る。鋭く回り、見事に着氷した。日本人の実戦での成功はジュニア時代に跳んだ安藤美姫以来。出来栄え評価(GOE)で3・19点を引き出す完璧なジャンプだった。

 続く3回転半(トリプルアクセル)も加えて2つの高難度ジャンプを決めれば、シニア世界初成功となったが、惜しくも回転不足を取られた。初戦のため他の要素でもミスがあり、得点を大きく伸ばすことはできなかった。それでも、緊迫した舞台でチャレンジ精神を貫いた。

 今季から練習拠点をスイスに変更した。男子で元世界選手権連覇のステファン・ランビエル・コーチの下で試合のない期間、プログラムの通し練習や走り込み、体全体の筋力トレーニングも積極的に行った。太腿が強化され、高いジャンプが跳べるようになった。

 だが、出場予定のGPフランス杯がコロナ禍で中止となるなど空白の時間が続く。「達成感を味わえないままで、つらかった」。苦しい時を耐え、「今までの全ての行動が、試合のあの一瞬につながってうれしい」と笑顔を見せた。

 前日のロシア選手権では、上位者が4回転ジャンプを連発させた。北京五輪での活躍を明確に描く18歳は、4回転の成功だけで終わりではない。五輪プレシーズンの世界選手権切符を獲得。「ロシアの選手と世界選手権で戦っていける完璧なレベルを目指したい」。トリプルアクセルに加えて新たな武器を携え、打倒ロシア勢に挑む。

 ▽女子の4回転サルコー 02年、当時14歳の安藤美姫が、ジュニアGPファイナルで女子初の4回転として成功。安藤はジュニアで参加した03年全日本選手権でも決めた。シニアの国際大会での初成功は、19年世界選手権のトゥルシンバエワ(カザフスタン)。トルソワ(ロシア)も跳ぶ。トルソワやシェルバコワ(ロシア)はサルコーより高難度のルッツ、フリップも成功。ジュニアではリュウ(米国)、アカチエワ(ロシア)が同一プログラムで4回転&3回転半にW成功したが、シニアでのW成功はない。

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