センバツ史上初のタイブレークとなった熱戦は、甲子園初采配の島田直也監督(51)率いる常総学院が、敦賀気比を破った。昨年11月24日には、同高元監督で島田監督の恩師でもある木内幸男氏(享年89)が死去。チーム5年ぶりのセンバツ出場でつかんだ勝利は、恩師にささげる1勝にもなった。

5-5の同点で、試合は13回からタイブレークに突入した。表の攻撃の常総学院は無死一、二塁からの強攻策で待望の勝ち越し点を挙げた。この回、一気に4点を奪い、試合を決めた。

熱戦を制した島田監督は「本当に、選手が自分の力を出し切った結果が出てよかったと思います。(タイブレークの準備は)やっていなかったです。敦賀気比さんが相手なので2点とってもまだ…と思ったので、『最初バントの構えをして、次から打つぞ』とは言っていました。本当に僕のミスを、選手が一生懸命やってくれて、助かりました」と笑顔で振り返った。

島田監督は87年春、エースとして常総学院を春夏通じて初の甲子園に導いた。同年夏にも甲子園に出場し準優勝。常総学院の歴史を築いた。その後、日本ハムに入団し大洋、ヤクルト、近鉄で活躍。引退後はBC・信濃で投手コーチ、四国IL・徳島で投手コーチと監督、15~17年までDeNAで2軍投手コーチを務めた。昨年3月下旬に母校の投手コーチに就任。7月26日から監督を務めていた。

タイブレークは甲子園では18年春から導入され、延長12回を終え同点の場合、13回から無死一、二塁(打順は12回終了後から継続)で行う。過去は18年夏の佐久長聖5-4旭川大高(14回)、済美13-11星稜(13回サヨナラ)、19年夏の星稜4-1智弁和歌山(14回サヨナラ)の夏3試合で実施。今大会から決勝でも導入される。

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