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阪神・梅野 FA権行使も検討 残留が基本線ながらも熟考の姿勢 流出なら日本一逃した虎にWショック - スポニチアネックス Sponichi Annex

クライマックスシリーズ ファーストステージ第2戦   阪神2ー4巨人 ( 2021年11月7日    甲子園 )

セCSファーストS< 神・巨(2)> 2回1死、梅野は中越え二塁打を放つ (撮影・平嶋 理子)
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 阪神の梅野隆太郎捕手(30)が今年5月に取得した国内フリーエージェント(FA)権を行使する可能性があることが7日、分かった。8年間、代えがたい経験を積んできたタイガースに残留することが基本線ながら、他球団の評価を聞きたい意向も本人は秘める。チームはこの日、クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ(S)で巨人に連敗し敗退が決定。今季125試合で先発マスクをかぶった正妻が「流出」となれば、ダブルの痛手となる。

 梅野が、プロ8年目でキャリアの大きな分岐点に立つ。手にあるのは、今年5月13日に取得した国内FA権。喜びも、苦難も経験してきたタテジマへの愛着もある中で、熟考し、決断を下す。

 関係者によれば、残留を基本線に、他球団の評価を聞いてみたい思いも秘めているという。1年目から大きな故障や長期離脱もなく1軍の舞台で体を張り続け、得た大事な権利。家族とも相談しながら、行使も視野に検討していくつもりだ。

 一方で、強く抱くのはタイガースへの恩義とファンへの感謝の思いだ。過酷な捕手というポジションを務める上で、大きな活力となったのは、背番号の44、2に注がれてきた声援の数々。常々「今までどれだけ背中を押されたか分からない。甲子園の、あの熱量は本当にすごい。毎試合、声援をいただいてありがたいですし、間違いなく力になっています」と、その存在の大きさを口にしてきた。

 入団当初からファンの間では「梅野」ではなく「梅ちゃん」で呼び名も早々に定着。打席に入る際には、スタンドにグッズを掲げる“絶景”が目に入った。「自分も気に入ってますし、ファンの方が親しみやすく呼んでもらえるのはうれしいこと」と表情を緩めていた。だからこそ、プレーだけでなく「できるだけ喜んでもらえるように」とファンサービスにも人一倍、力を入れてきた。

 今季は自己最多125試合で先発マスクをかぶり、得点圏打率・321と勝負強さも随所にみせた。何より、リーグ最多77勝を挙げたチームの勝利に「正妻」として、より多く貢献できたことが自信にもなっており、本紙のコラムでも「1勝、1勝積み重ねて143試合目まで優勝争いできたことは大きな経験」と明かしていた。

 この日は10月10日以来の先発出場を果たし「7番・梅野」のコールにスタンドは一番の盛り上がりを見せた。2回に先制の口火を切る中越え二塁打を放ったが、3、5回の好機では凡退。敗戦後に今季を振り返った。

 「リーグ優勝できなかったことはキャッチャーとしての責任を感じます。積み重ねの1勝がどれだけ後ろに響いてくるのか学ぶこともできた」

 球団も全力で慰留に努める構え。つかの間の休息を経て、人生の大きな選択について考えを巡らせていく。

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