◇国内男子◇ダンロップフェニックス 3日目(20日)◇フェニックスCC(宮崎)◇7042yd(パー71)
最終18番(パー5)、木下稜介はアドレスに入る前に考えを巡らせた。ラフからの2打目は5Wでグリーンをキャッチできる残り距離。バーディが欲しいところで、顔を出した積極性を抑えこんだ。「バックスイングで後ろの木にクラブが当たるかもしれない」。スペアのない重要な1本。フェアウェイへの刻みを選択した。
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3オン2パットのパーフィニッシュにも、「あの時間でいろいろ考えた。やめておこうと思った」ととっさの判断が最終日につながると信じた。出だし1番で1mのパットを外しボギー発進も「66」をマークして通算12アンダーの単独首位。今季3勝目、そして賞金ランキングトップ奪還に王手をかけた。
「この試合での優勝をきっかけに海外に出たい」という強い気持ちがある。そのためには、3日間いずれもパーどまりの最終ホールを攻略する必要性を感じてもいる。右ドッグレッグのパー5、ドローヒッターには打ち出しで右サイドの木々が気になって仕方がない。「どうしても捕まえに行ってしまう。あしたは木のスレスレのラインを打てるように」と72ホール目を勝負所と見定めた。
予選2日間で首位を守り続けた秋吉翔太は、18番のボギーで追う立場に変わった。「足が滑ってトップした」2打目のミスから4オン2パット。2mのパーパットを決めきれず、「きょう一日の流れでは入らない」と嘆いた。2連続バーディにした14番での6mのパットが数少ない納得いくグリーン上でのプレー。「70」で通算11アンダー、小袋秀人とともに1打差からティオフする。
完全優勝のチャンスを逃しても、これまでのジンクスから前向きになれる。首位で最終ラウンドに入った2018年の「中日クラウンズ」、「三井住友VISA太平洋マスターズ」はともに逃げ切りに失敗した。「最後のボギーはポジティブに考えたい。昔から追うほうが好き。本当は最終日を首位から勝つのがカッコいいと思うんですけど」(笑)。過去の2勝はいずれも後続から逆転V。結果的に“得意の形”になったことに安堵した。(宮崎県宮崎市/桂川洋一)
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