阪神・糸井は8日に行われた中日・福留の晴れやかな引退会見を見て、どう思っただろうか。突如、勃発した〝進退騒動〟。このパターンに直面すると阪神ファンは志半ばでタテジマを脱ぎ、円満退団とは言い難かった2人を思い出す。同じ道を辿るのか、引退か。ゴールがどこにあるかは見えてこない。自身の引き際を決められる特権があるのが一流選手なら糸井はその条件を満たしている。少ない残り試合で、Aクラス死守を目指す戦いを続けるチームから離れ、41歳の〝単独行動〟に注目が集まっている。
「ご迷惑をおかけするかもしれません」。2軍で調整していた糸井が鳴尾浜から姿を消したのは4日のこと。その際に残した言葉から判断すると、相当な覚悟の上のアクションだったと思う。3月25日のヤクルトとの開幕戦(京セラ)では「6番・左翼」でスタメン出場し、1号2ランを放つなど、3安打4打点の活躍を見せた。4月は勝負強さを発揮したものの、その後は徐々に下降線をたどった。7月19日には〝リフレッシュ抹消〟されて、29日に再登録されたものの、調子は上がらなかった。体調不良を訴えて「特例2022」で抹消されたのが8月9日で10日にコロナ陽性と判定された。
23日のウエスタン・オリックス戦(杉本商事BS)で実戦復帰を果たし、新潟や筑後への遠征にも帯同した。2軍で打率・290、1本塁打、3打点の成績を残し、10試合に出場しながらも、1軍から声がかからなかった。ショックだったと思う。あうんの呼吸ではないが、それなりに実戦を踏めば、上がれると思っていた、と推測できる。3日の広島戦(鳴尾浜)にもスタメンで出場し、翌4日もグラウンドで汗を流していた。ここまでの1軍成績は61試合出場(スタメン44試合)で36安打を放ち、打率・222、3本塁打、22打点。置かれた環境を十分認識しながら、一気に心の針が動いたかのように、動き始めた。
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