アメリカが誇る若き才能たち [写真]=Getty Images
今月23日(金)に日本代表が親善試合で対戦するアメリカ代表は若い才能の宝庫だ。チェルシーに所属するFWクリスティアン・プリシッチ(24歳)を筆頭に、10代から20代前半の有望なタレントを多く抱えている。
中には「65億円」を超える選手や評価額が高騰中の若手プレーヤーもいる。というわけで、アメリカ代表の注目銘柄をデータサイト『Transfermarkt』の市場価値と共にチェックしよう。
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■FWクリスティアン・プリシッチ (市場価値4620万ドル(約67億円))
まずは、現アメリカ代表の象徴とも呼べるFWクリスティアン・プリシッチ(24歳)だ。若くしてドイツに渡り、ドルトムントでプロデビューして一気に世界的プレーヤーの仲間入りを果たしたプリシッチ。2019年に5800万ポンド(約83億円)でチェルシーに加入すると、2021年にはアメリカ人として初めてチャンピオンズリーグの決勝に出場し、チェルシーの欧州制覇に貢献した。
アメリカ代表では、2016年に17歳で代表デビューを果たし、これまで51試合21ゴール。ワールドカップ・カタール大会のCONCACAF予選ではチーム最多の5ゴールを叩き出して、アメリカを2大会ぶりに本選出場へと導いた。
チェルシーでは、来月発売される自叙伝『クリスティアン・プリシッチ:マイ・ジャーニー・ソー・ファー』の中でトーマス・トゥヘル前監督との確執を綴っており、確かに不遇の時間を過ごすこともあったが、先日監督が交代したことでスタメン定着を狙えるはずだ。そういった状況もあり、彼の市場価値はチェルシー加入時の6600万ドルから下落したとはいえ、それでもアメリカ代表で最高の4620万ドル(約67億円)。プレミアリーグ全体で見ると51位の市場価値となっている。
■FWジョヴァンニ・レイナ (3850万ドル(約56億円))
ドルトムントで活躍するFWジョヴァンニ・レイナは、19歳にして豊富な経験を持つ才能だ。マンチェスター・シティなどで活躍した元アメリカ代表MFクラウディオ・レイナを父に持つレイナは、16歳でドルトムントに加入すると、17歳66日でブンデスリーガデビュー。2020-21シーズンにはトップチームに定着してチャンピオンズリーグにも出場。まだ19歳だが既にドルトムントで公式戦80試合以上に出場している。
アメリカ代表でも2020年11月に17歳でA代表デビューすると、ウィングとして起用されることの多い才能は、これまで代表戦で11試合4ゴールと高い得点力を誇っている。今年3月のメキシコ戦では、自陣からドリブルを開始して5選手を抜き去り、ネット上ではディエゴ・マラドーナの伝説の“5人抜き”と比較されるほど話題になった。
しかし、近年は怪我に悩まされており、今年4月には長期離脱から復帰を果たした直後に再び負傷してピッチ上で涙を流した。それでも今シーズンは徐々に出場時間を増やして輝きを取り戻している。市場価値はピーク時の4620万ドルから少し落ちて3850万ドル(約56億円)。アメリカ代表では2位、そして世界的なタレントがひしめくブンデスリーガでも19位の評価額だ。
■FWブレンダン・アーロンソン (3300万ドル(約48億円))
現アメリカ代表で3位の市場価値を誇るのは、ここ1年で飛躍的な成長を見せている注目株だ。21歳のMFブレンダン・アーロンソンは2021年1月に渡欧すると、若手の登竜門として知られるザルツブルクで活躍して一躍注目を集めるように。出身地のニュージャージー州メドフォードにちなんで「メドフォードのメッシ」と呼ばれる逸材は、昨シーズンのチャンピオンズリーグでは予備選を含めて2ゴール3アシストの活躍を見せてザルツブルクのクラブ史上初のベスト16進出に貢献した。
そして今夏、アメリカ人のジェシー・マーシュ監督が率いるイングランドのリーズへ移籍。移籍金2500万ポンド(約40億円)は、アメリカ人としてプリシッチに次ぐ歴代2位の記録だった。そんな21歳は、プレミアリーグで開幕スタメンに名を連ねると、8月のチェルシー戦で同胞の先輩であるプリシッチの前で移籍後初ゴールをマーク。アメリカ人がプレミアリーグのチェルシー戦でゴールを決めるのは9年ぶりのことだった。市場価値もうなぎ上りで、半年前の1320万ドルから今では3300万ドル(約48億円)まで高騰。リーズでもチーム最高値を誇っている!
■MFウェストン・マッケニー (2750万ドル(約40億円))
アメリカ代表の市場価値4位に着けるのはユヴェントスのMFウェストン・マッケニー(24歳)だ。彼も若くしてドイツに挑戦してシャルケでプロデビューを果たし、2020年にユヴェントスに期限付きで加入。同クラブ史上初のアメリカ人選手となると、リーグ戦34試合5ゴールの活躍で完全移籍を果たした。
アメリカ代表としては、2017年の代表デビュー戦いきなりゴールネットを揺らし、これまで34試合9ゴール。セントラルミッドフィルダーとして活躍するマッケニーの市場価値は現在2750万ドル(約40億円)。これはイタリア代表FWモイーズ・キーンなどを抑えてユヴェントスでチーム6位の評価となっている。
■DFセルジーニョ・デスト (1980万ドル(約28億円))
アメリカ代表の市場価値トップ5の最後の一人は、今季バルセロナからミランにローン移籍している右SBセルジーニョ・デスト(21歳)だ。オランダ人の母と、スリナム系アメリカ人の父の間にオランダで生まれたデストは、名門アヤックスの下部組織出身。2019年に18歳でトップチームデビューを果たすと、19-20シーズンに公式戦35試合2ゴールでクラブの若手最優秀選手に選ばれた。
すると、トップチームで1年しかプレーしていないにもかかわらず、2020年10月に2100万ユーロ(約26億円)でバルセロナに引き抜かれることに。バルサでは1年目に公式戦44試合に出場したが、昨シーズンは少し出番が減り、今季は期限付きでミランに加入した。
市場価値は1年前のピーク時の3300万ドルからは大幅に下落して現在1980万ドル(約28億円)。それでも右サイドバックとしては世界で25位と未だに高い評価を維持している。ちなみに、アーセナルで主に右SBとして起用される日本代表のDF冨安健洋(23歳)の市場価値は2420万ドル(約35億円)で、右サイドバックに限ると世界で18位となっている。
■その他
平均年齢24歳と若いアメリカ代表は、市場価値における“注目銘柄”が多い。今オフにバイエルンからイングランドのクリスタル・パレスに加入したCBクリス・リチャーズ(22歳)は、まだプレミアリーグで先発出場がないものの、今夏の移籍によって市場価値は825万ドルから1.6倍の1320万ドル(約19億円)まで高騰しており、アメリカ代表では8位の評価額となっている。
今のアメリカ代表で最も好調な選手と言えば、イングランド2部のノリッジに所属するFWジョシュ・サージェント(22歳)だろう。今季チャンピオンシップ(イングランド2部)で10試合に出場して6ゴールで得点ランク2位。しかも最近7試合で6ゴールと絶好調。チームも現在2位につけており、1年でのプレミアリーグ復帰に向けて順調だ。そのサージェントは、昨季プレミアリーグから降格したことで市場価値が下がっていたが、今季の活躍でピーク時の990万ドル(14億円)まで回復しており、アメリカ代表では12位につけている。
同じく990万ドル(約14億円)の評価額となっているのがFWリカルド・ペピ(19歳)だ。同選手は、FCダラスで活躍したのち、今年1月にアウクスブルクのクラブ移籍となる金記録1600万ユーロ(約23億円)で鳴り物入り。しかしブンデスリーガでは1点も奪うことができず、今年8月にオランダのフローニンゲンへ期限付きで移籍することに。エールディヴィジでは、デビュー戦で途中出場からいきなり決勝点をアシストすると、初スタメンとなった今月17日の試合で移籍後初ゴール。市場価値はアウクスブルク加入時よりも少し下がったが、それでもフローニンゲンでは最高評価の990万ドル(約14億円)となっている。
DFキャメロン・カーター・ヴィッカーズ(24歳)も注目銘柄だ。FW古橋亨梧、FW前田大然、MF旗手怜央の日本代表トリオが所属するセルティック(スコットランド)のセンターバックは、同チームには欠かせない守備の要。昨季トッテナムからローン加入して今オフに完全移籍すると、市場価値は1年前の220万ドルから3倍以上の770万ドル(約11億円)まで跳ね上がっている。
その他にもボルシア・メンヒェングラートバッハで定位置を確保している右SBジョー・スカリー(19歳:市場価値880万ドル(約13億円))、FCダラスでゴールを量産しているFWヘスス・フェレイラ(21歳:市場価値880万ドル(約13億円))、今夏アーセナルに加入したGKマット・ターナー(28歳:市場価値550万ドル(約8億円))など、アメリカ代表には注目しておくべき銘柄がたくさんある。
ちなみに、『Transfermarkt』によると日本代表で最も市場価値が高いのは、前述のDF冨安健洋とMF鎌田大地(26歳:フランクフルト所属)で共に2420万ドル(約35億円)。続いてFW南野拓実(27歳:モナコ所属)の1100万ドル(約16億円)、そしてFW伊東純也(29歳:スタッド・ランス所属)の935万ドル(約13億円)。レアル・ソシエダのMF久保建英(21歳)は825万ドル(約12億円)でチーム7位となっている。
(記事/Footmedia)
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