社会問題として取り上げられることも多くなった昨今でも、SNS上での誹謗中傷による被害は一向に無くなる気配を見せない。記者が担当する阪神球団でも、先日に青柳が被害を訴えた。本人のみならず、母親への殺害をほのめかす見るに堪えない内容だった。
コメント欄を封鎖するなど、他者からの反応に目を通さないようにする機能もあるが、青柳には強い理念がある。「攻撃をしたがる人もSNSにはいますけど、一を否定することによって全部を否定すると、温かいコメントも入ってこないですし。僕自身落ち込んだときに、全く面識のない人からのコメントで励まされることもある。ありがたいコメントが9あるとしたらその9を受け取って、残りの1を僕の中で排除すればいいかなと。僕は別に残りの1を全く気にしないタイプなので」
昨夏の東京五輪期間中も、数多くの誹謗中傷にさらされた。その中で、難病を患い余命宣告された男の子からの「もちろんいろいろ批判もされると思うんですけど、僕はそういう青柳さんを見て元気づけられています」といった長文のメッセージに、心を救われたという。「オリンピックの時は9が批判で1が励ましだったかもしれないけど、その1のおかげで僕は救われたことがあったので」。自らのフォロワーを球場に招待する企画を今季から開始するなど、コロナ前からファンを楽しませるツールとして、SNSを活用してきた。
「球場で今だったら声出せなかったりとか、“頑張ってください”という一言を本人を前にしたら言えない人もいっぱいいると思うので。色々コメントしてくれるのはありがたいことですし、それだけの人が応援してくれているんだなという励みにもなる」
SNS関連で聞かせてもらった取材の間、青柳は誹謗中傷について「慣れたのであまり気にしない」「こんなことは多々ある」と口にした。「世の中にはこういう(誹謗中傷をする)奴もいるんだと知って、人として大きくなれたなと。この世界にいなかったら、そういう人たちからメッセージを受けることもなかったので。僕たちは夢を与える仕事ですけど、その裏で気分のよくないこともいっぱいあるなってのは学べた」。右腕の強靱な精神力に感服させられた一方で、他の選手にも同様に「慣れたので気にしない、こんなことは多々ある」と言わせる環境であっていいはずがない。球団は「チームや選手への行き過ぎた誹謗中傷や、違法な投稿に対しては、当球団として警察への届け出や法的措置を執る場合がございます」と断固としたメッセージを出した。今回の青柳の一件をきっかけに被害が減ることを願うとともに、日頃からSNSを使用する一記者としても、覚悟を持って日々の情報発信に努めていきたい。
(記者コラム・阪井 日向)
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