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生理現象は仕方ないが…“世界最古のカップ戦”FA杯で「事件」発生、過去にはさらなる大舞台でも - SOCCER KING

歴史あるFA杯で、耳を疑うような「事件」が…… [写真]=Getty Images

 “世界最古のカップ戦”として知られるイングランドのFAカップ。その予選で珍事が起きた。

 今シーズンで142回目となるFA杯には、アマチュアチームなどを含めて732チームが出場している。予選には640チームが参加し、一発勝負の戦いを何度も繰り広げて最終的に32チームが本選に進み、そこで途中から参加してくるプロチームと対戦する。

 そんな気が遠くなるような予選は、現在1回戦が繰り広げられているところ。その伝統のFA杯予選で、耳を疑うような「事件」があったのだ。事が起きたのは、今月3日の一戦。イングランド9部に所属するブラックフィールド・ラングレーが、同じく9部所属のシェプトン・マレットと対戦した試合の76分のことだった。スコアレスで試合が推移するなか、ブラックフィールド・ラングレーのゴールキックになった際にGKコナー・マセコが突如ピッチを離れたのだ。

「彼はトイレに行きたくなり、生け垣で“した”んだ」

 同クラブの監督はイギリスメディア『BBC』にこう説明した。何と、試合中にトイレを我慢できなかったマセコは、ピッチ脇で小便をしたというのだ。指揮官は以下のように付け加える。

「すると、相手選手たちが『何やっているんだ』と審判に抗議した。そのため審判が彼の元へ行き、レッドカードを出したのさ。本人は生け垣の中だったと主張していたよ。我慢できないこともあるからね。まさかレッドカードが出るなんて、我々もみんな驚いている」

 結局、試合は0-0のまま引き分けに終わり、予選2回戦進出をかけた勝負の行方は再試合に委ねられた。次の試合は、6日にシェプトン・マレットの本拠地で開催される。その再試合に向け、シェプトン・マレットがクラブ公式ツイッターで冗談を連発している。

「次は火曜日の晩にお会いしよう(来る途中に、しっかりとトイレ休憩を取ることをお勧めするよ!)」と書き込むと、それだけでは飽き足らず、両者の対戦を「小便事件」と銘打って宣伝しており「最初の対戦で珍しいレッドカードが出た一戦。再試合ではスポンサーを募集中。配管工や仮設トイレの企業にお勧めの試合だろう!」とツイートしているのだ。

■過去にはもっと大舞台でも

[写真]=Getty Images

 選手も人間なので、生理現象は仕方のないこと。実は、過去にも似たようなハプニングが起きている。それも、もっともっと大きな舞台でだ。有名なのは、アーセナルなどで活躍した元ドイツ代表GKイェンス・レーマン氏である。レーマン氏はシュトゥットガルトに所属していた2009年、チャンピオンズリーグのグループステージ最終戦のウニレア・ウルジチェニ(ルーマニア)戦で試合中に用を足した。決勝トーナメント進出をかけた大一番で、当時40歳のレーマンはどうしても我慢できず、試合中にゴール裏へ走っていき、広告ボードを乗り越えると、そこに身を隠して小便をしたのだ。しかも、プレーが続いている最中だった。そのシーンはカメラに収められており、かなり話題になったので覚えている人も多いだろう。

イェンス・レーマン

[写真]=Getty Images

 2年前には、北アイルランドでも珍事があった。2020年7月27日に行われた国内カップ戦の準決勝、TV中継されたコールレーンvsバリーメナ・ユナイテッドの試合で選手が試合中にピッチ上で用を足したのだ。

 その試合でゴールを決めていたコールレーンのFWオーン・ブラッドリーは、延長戦前の束の間の休憩中に、我慢できなくなりピッチ上にしゃがみ込んで用を足した。ハーフタイムなら控え室に戻ることもできたが、延長戦の前はピッチ上で休憩を取ることになっているため、仕方なくその場で済ませたのだ。だが、この試合は北アイルランド代表も本拠地として使う伝統のスタジアム『ウィンザー・パーク』で開催されており、さらに『BBC』で生中継されていたので用を足すシーンがTVに流れてしまったのだ。

 結局、PK戦の末に敗れたコールレーンだったが、さらなる追い打ちが彼らを待っていた。「フットボールの評判を落とした」ことで、ブラッドリーが北アイルランドサッカー協会から6試合の出場停止処分を科せられたのだ……。

 サッカー界の“究極の大舞台”でも我慢できなかった選手がいる。それが名古屋グランパスでもプレーした元イングランド代表FWゲーリー・リネカー氏だ。イングランド代表の歴代最高ストライカーの一人に挙げられるリネカー氏は、1990年イタリアワールドカップのグループリーグ・アイルランド代表戦で、我慢できずに大便を漏らしたのである。

ゲーリー・リネカー

[写真]=Getty Images

 試合前からお腹の調子が悪かったそうだが、だからといって休むわけにもいかず、強行出場したリネカー氏。前半は無事に乗り切ったが、後半に入って我慢の限界を迎えたという。

「ボールが出たのさ。その時に少し足がもつれて、そしたら脱力してしまって……。するとチームメイトが駆け寄ってきて『大丈夫か?』と声をかけてくれたんだ。だから私は『漏らしてしまった』と打ち明けたんだ」

「ワールドカップだからね。『すみません、5分だけトイレに行っても良いですか?』なんて言えないよ」

 だが、おかげで少しプレーし易くなったともいう。「あんなにスペースを貰えたのは人生で初めてだったよ!」と、漏らした後は敵チームのマークが緩くなったと冗談を飛ばしたのだ。試合はリネカー氏の先制ゴールを守り切れずに1-1で引き分け。それでもイングランド代表は見事にグループ首位通過を果たし、そのまま準決勝まで勝ち上がれたので、今では笑い話となっている。

(記事/Footmedia)

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