ポスティングシステムを申請した巨人菅野智之投手(31)が8日、申請の受理を受け、川崎市のジャイアンツ球場で胸中を語った。大リーグへの夢、巨人愛、原監督やチームメートへの思いをストレートな言葉で表現した。米東部時間8日午前8時(日本時間同日午後10時)に交渉が解禁され、期限は来年1月7日午後5時(同8日午前7時)だが、年内での決着を希望。新型コロナウイルスの影響で来季の開催形式などが不透明な中、巨人残留も選択肢に入れ、交渉に入る。獲得に動くメジャー球団は、7球団が予想される。
ポスティング申請が受理され、報道陣の前に立った菅野は、今ある全ての思いや感情を言葉に込めた。大リーグ挑戦を「夢」と表現し、決断の理由を「年齢的にも残されたチャンスは少ない」と説明した。大リーグ球団との交渉を前に「ホッとしている気持ちと不安も多少あります」と吐露し「年内決着を望んでいます」とメドを立てた。
1つの夢をかなえ、次なる夢へと挑戦する。5歳の時、伯父の原監督の引退試合に感動し、巨人でのプレーを夢に描いた。エースと指揮官の関係に変わった今「多くは話してないです」と言ったが、残留を希望する報道を目にし、胸が熱くなった。
「おじさんではありますけど、野球人生で一番影響を受けた人。監督と一緒に野球をやるという夢を持ち続けて、野球を頑張ってきた。必要としてもらえるのはありがたかったし、報われたなと思います」
巨人の原に憧れ、野球を始めたはずが、「原のおい」の重みに苦しんだ。ともにプレーしても、褒められた記憶はほぼなかったが、最大の評価を受け「そういうのも含め、悩んでいます」と心は揺れた。
夢へと踏み出す決断に、仲間の言葉が胸に刺さった。FAで巨人に加入した同い年の丸から「どっちを選んでも絶対プラスだから」とエール。先輩の坂本からは「みんながみんな応援しててくれると思うなよ」と愛情あふれるジョークで激励された。
今後は大リーグ球団との交渉に入るが、新型コロナウイルスの影響で来季の開催形式などが不透明で、巨人残留も選択肢に入れる。「来年のシーズンがどういうふうに行われるか。そこだけですね。これからもたくさん悩むと思いますけど、後悔のない選択をしたいです」。交渉期間は30日間。自らの心に問い掛け、答えを出す。【久保賢吾】
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