“ご意見番”武蔵丸、初優勝の大栄翔にあっぱれ一方で喝も「絶不調の貴景勝は体を絞れ！」（武蔵川光偉） - Number Web - ナンバー

　大栄翔、初優勝おめでとう！　突き押し一本に徹して、迷いのない自分の相撲を取り切る力士って、イマドキなかなか、いないもの。そんな彼が優勝するって嬉しいよ。自分の持ち味を最大限にいかしているんだ。僕から見ると、中途半端でナマクラな四つ相撲を取ってる力士も多いからな。

　今場所の大栄翔は、立ち合いで当たったあと、肘と膝がいい角度で曲がっていたんだ。突き押しで相手の上体を起こし、まわしを取らせずに、いい距離感を保ってもいた。ストレートの勝ち越しを決め、今場所初めて黒星を喫してしまったのが九日目の宝富士戦。十一日目の阿武咲戦でも星を落とし、13勝2敗での優勝だったけど、負けた相撲は押し切れていなかったね。

絶不調の貴景勝は“太りすぎ”

　綱取りだった貴景勝は、まさかの絶不調で7敗を喫して十日目から休場……。ひとつの要因として“太りすぎ”なんだよね。初優勝した時の、関脇から新大関になった時の体重に戻せばいい。あの頃はスピード感もあって動きもよく、完璧な突き押し相撲だったのにな。身長が175センチで体重が183キロだというけれど、そこのバランスがなぁ。筋トレはもうやらなくていい。相撲の基本の、ぶつかり稽古と腕立て伏せだけでいいんだ。体重を減らせといってもダイエットではなく、稽古で体重を絞ればいい。せっかく稽古相手として元気のいい隆の勝が同じ部屋にいるんだもん。毎日ふたりで三番稽古を30番でもやれば、お互いのためにもいい。お互いに自信がつくような稽古をしてほしいな。これからは、そんな気持ちの問題も大きいんだよ。大きい体ではないし、突き押し一本やりで横綱に昇進するのは、やはり難しいところ。貴景勝が横綱になるには、今まで以上のスピード感がほしいね。もし昇進しても、その後が辛くなるかもしれないから、とにかく、稽古で体を絞って、スピード感をさらに増して！