明日31日に号砲が鳴る大阪国際女子マラソン(長居公園発、ヤンマースタジアム長居着の42.195キロ)に出場する招待選手らが29日、大阪市内で会見、東京五輪女子マラソン代表の一山麻緒(23、ワコール)と前田穂南(24、天満屋)の2人が日本記録更新を宣言した。新型コロナウイルスの感染予防対策でコースが10日前に2.8キロのコースを約15周する周回コースに変更されたが記録を狙う上では最大の追い風。ペースメーカーにもボストンでの優勝経験のある川内優輝(33、あいおいニッセイ同和損害保険)ら男子ランナーを6人起用。日本記録更新に期待が高まる 。
日本記録保持者の野口みずきさんからの鋭い質問
一山はさらっと言った。 「目標は日本記録。それだけを思ってやってきている。このような状況のなかで大阪国際女子マラソンを準備してくださった方に感謝の気持ちをもってチャレンジしていきたい」 そして前田も続く。 「練習でも思うような走りができなかったのでレース当日はどうなるかわからないですけど、2時間20分切りを目指して頑張って走っていきたい」 2人の東京五輪代表ランナーは野口みずきさん(42)が2005年9月のベルリンで出した2時間19分12秒の日本記録更新を宣言した。会見のハイライトは、当日、レース解説を行う、そのアテネ五輪金メダリストの野口さんが、自ら質問用のマイクの前に立った場面だ。 野口さんは「日本記録保持者として興味を持って日本記録を目指す前田選手と一山選手にお聞きします」と前置きした上で「記録を目指すにあたって一番自信を持てた練習はなんでしょうか。また10日前、1週間前の最後の仕上げの調整の練習の様子を詳しく教えていただけませんか」との鋭い質問を投げかけたのである。 一山は、正直にこう答えた。 「このレースに向け1か月くらいはレースペースでの練習が多かった。設定タイムに届かなかった練習もチラホラあったんですが、レースペースで20キロを走ったとき、あまり自信がない中で走ったわりには走れた」 つまり日本新記録を想定したハイペースの20キロ走では、そのノルマをクリアできているというわけなのだ。 一山は昨年3月の名古屋で2時間20分29秒の国内最高記録をマークして3人目の五輪代表の座を勝ち取った。3人の代表内定者の中での持ちタイムは一番。アフリカ勢が台頭して高速化している世界の強豪に東京五輪で勝負を挑めるランナーと言っていい。
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