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川内、異例ずくめも“らしさ全開”ペースメーカー 途中離脱せず応援しながら完走 - スポニチアネックス Sponichi Annex

大阪国際女子マラソン ( 2021年1月31日    大阪市・長居公園南西口発、ヤンマースタジアム長居着の長居公園周回路=1周2.8キロを15周 )

声を掛けながら一山の前を走るペースメーカーの川内(左)
Photo By スポニチ

 ペースメーカー(PM)の川内優輝(33=あいおいニッセイ同和損保)がゴールした。異例ずくめの大会の象徴と言えた。

 「一山選手が最後まで粘ってくれて、最後はペースを戻してくるような走りをしてくれた。日本記録はならなかったが、良かったなと思います」

 コロナ下で海外から招待選手やPMを呼べない中、「男女混合レース」として開催することで実現に至った男子のPM。川内は先頭で日本記録のペースをつくりながら、一山に疲労の色が見えると、スピードを柔軟にコントロールした。国内では30キロでPMが離脱するケースが多いものの、岩田勇治(33=三菱重工)とともに、競技場直前まで“エスコート”。「カメラに映り込まないようにゴールしたい」との宣言通り、トラックの外側をひっそり走り、一山から47秒遅れの2時間21分58秒でフィニッシュした。男女混合レースのため、走りきっても何も問題はなく、108回目のフルマラソン完走。5人のPMのうち2人がゴールした。

 周回コースに変更され、代わり映えがしない景色と無観客の形式が選手の集中力をそぐ恐れがあった。それを補うように、川内と岩田が一山を励ます場面が何度もあった。男女の垣根を越えた「オールジャパン」の記録チャレンジだった。

 前田をはじめ、上位5人のうち4人が自己ベスト(初マラソンの萩原を含む)。コロナ下の特別な大会形式とはいえ、目的の“記録づくり”はある程度達成できた。日本陸連の尾県貢専務理事は記録が公認される大会を開催できたことに胸をなで下ろしつつも「町中を走って応援してもらうのがマラソンのあるべき姿。異例中の異例」と今後の短い距離での周回レースには否定的だった。

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