2021年1月2日、3日に開催された第97回箱根駅伝は、新型コロナウイルス感染拡大の予防対策として沿道での応援自粛が呼び掛けられ、静かな大会となった。 【写真】駅伝を愛するNGT48西村菜那子 しかし、レースは最後まで熱く盛り上がる展開となった。その中心にいたのは、4回目の出場で往路優勝を果たし総合2位になった創価大(前回9位)だ。 一方、活躍が期待されていた前年優勝の青学大や2位の東海大、全日本大学駅伝優勝の駒澤大の3強や、全日本3位の明治大など有力校は往路からミスを連発した。 1区は17km過ぎまで大集団で走るスローペース。18km手前からスパート合戦になると、明治大は児玉真輝(1年)が16位と出遅れしまい、2区でも順位を17位に下げてしまい優勝争いからは完全に脱落した。 駒澤大も1区の白鳥哲汰(1年)が15位と明治大と同じように出遅れたが、2区の田澤廉(2年)が8位に上げると、3区の小林歩(4年)が3位まで上げて流れを取り戻す。 青学大は1区6位でつないだものの、中村唯翔(2年)は集団がバラけた10km過ぎから遅れて区間14位の13位に後退。疲労骨折で走れなかった主将・神林勇太(4年)の代わりに起用された3区の湯原慶吾(3年)も挽回できず、5区の竹石尚人(4年)の失速が決定打となって往路12位と、総合優勝は絶望的になった。 前回5区で区間賞の飯田貴之(3年)が復路の9区で区間2位の走りをして追い上げただけに、5区で彼の起用があれば2位争いにも加わり、総合でも逆転優勝が可能だったのではないかと惜しまれる。
東海大は1区に主将の塩澤稀夕(4年)を使ったことで、4区は佐伯陽生(1年)の起用となった。今回はハイレベルな1年生たちに注目が集まっていたが、向かい風が吹く厳しいコンディションの中、活躍できたのは3区で東海大を1位に押し上げた石原翔太郎のみ。結局、佐伯は区間19位と苦しんだ。 そんな有力校の失速に乗じて結果を出したのが創価大だった。1区の福田悠一(4年)が区間3位で滑り出すと、2区のフィリップ・ムルワ(2年)は区間6位の走りで2位に順位を上げた。3区の葛西潤(2年)が2位を維持して、4区では前回10区で区間賞の嶋津雄大(3年)がトップに立つと、2位の駒澤大に1分42秒差をつけて5区の三上雄太(3年)につないだ。そして、三上も焦ることなく区間2位の走りをすると、出場4回目にして往路優勝を果たした。 創価大就任2年目になる榎木和貴監督は、2020年の新チーム発足時に箱根3位以内を目標に掲げていた。9位だった前回の取りこぼした区間を考えれば、3位争いに加わることは十分可能と判断したからだ。選手たちは初め、その目標達成は難しいのではと信じていなかったが、シーズンが深まるにつれて手応えを掴んでいった。 春先には5000mの自己新を記録する選手が続出。だが、出雲駅伝の中止や、主力のひとりである嶋津が休学していた影響で、夏までの1万m上位8名の記録合計が反映される全日本大学駅伝の出場審査に落選してしまう。 試合に出場できない不安な時期を過ごしていたが、夏合宿の成果は秋になって表われた。 日本人エースの福田は10月に28分38秒01、11月には28分19秒26と1万mの自己記録を更新。9月に復帰した嶋津も、自己新となる29分01秒84を出すまで調子を戻してきた。また実業団チームのタイムトライアルに参加した三上、葛西と石津佳晃(4年)も、非公認ながら28分30秒台まで記録を伸ばしていた。
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