米国移籍後、2シーズン目を終えた筒香嘉智が、今オフ、1年・400万ドル(約4億4000万円)の契約内容でパイレーツ残留を決めた。公式戦終了後、今季途中に移籍したパイレーツのほか、他球団からも複数年契約のオファーを受けた中、自ら1年契約を希望し、単年勝負を選択した。
「毎年毎年が勝負ということです」
8月中旬に移籍したパイレーツでは、43試合に出場し、打率2割6分8厘、8本塁打、25打点と本来の長打力を発揮した。8月29日のカージナルス戦では、劇的な逆転サヨナラ3ランを放つなど、チームが低迷する中、持ち前の長打力で強烈なインパクトを残した。
「ピッツバーグというチームがすごく好きですし、他の球団からもオファーを頂きましたが、ピッツバーグに戻りたいという気持ちが強かったです」
チャンスをもらったピッツバーグへの感謝
レイズに移籍した1年目の昨季は、コロナ禍で春季キャンプが中断した。その後は帰国して単独トレーニングを続け、変則日程の中、未知の世界へ飛び込んだ。レイズはワールドシリーズへ進出したものの、プレー機会が不規則で、筒香にとっては戸惑いの連続だった。迎えた2年目の今季は、開幕戦にスタメンで出場したものの、本来の調子が取り戻せず、ドジャースへ移籍し、マイナーの3Aで打撃の修正を繰り返した。そんな眠れるスラッガーにチャンスを与えてくれたのが、パイレーツだった。
「マイナーも経験しましたし、ピッツバーグの皆さんに感謝しています。ここでプレーできたことが僕にとっては大きかったので、ピッツバーグへの思いは強いですね」
金銭面などの条件ではなく、古巣への恩義が、残留を決断した最大の要因だった。
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