◆天皇杯▽準決勝 川崎1―1大分(PK4―5)
J2に降格した大分が、J1王者・川崎をPK戦で下し、初の決勝進出を決めた。
序盤から防戦一方の展開ながら、主将のGK高木駿が最後の砦となってゴールを割らせず、試合は0―0で延長戦へ。
延長後半8分、川崎FW小林悠に先制点を与えたが、DFエンリケトレビザンを最前線に上げるパワープレー。すると同ロスタイムにそのトレビザンが頭で劇的な同点ゴールを挙げた。
PK戦では2人が失敗しながらも、最後は高木が相手のキックを止めて5―4のスコアで勝ち上がり。執念の勝利で決勝進出を決めた。
古巣相手にヒーローとなった高木は「楽しんでやれていたし、攻められるのはわかっていたが、耐え続けるプランで集中してできた。僕たちに失うものは何もない。チャンレンジするつもりで戦っていきたい」と初優勝へ意気込み。トレビザンは「全員が一丸となってチャンピオンの川崎さんに挑戦し続けることができた」と笑顔だった。
試合終了と同時にその場へ倒れ込み、両手で顔を覆った片野坂知宏監督は「選手がしっかりチャレンジしてくれたから勝てた。今季は悔しいシーズンを終えたが、サポーターに天皇杯で喜びをと今日を迎えた。思いをしっかり選手が表現してくれた」と興奮冷めやらぬ表情で語った。今季限りでの退任が決まっている指揮官にとって、決勝が最後の公式戦となる。片野坂監督は「我々らしい戦いで最高の結果で終われるようにしたい」と気を引き締めた。
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