サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会に臨む1次リーグE組の日本は、23日午後4時(日本時間午後10時)からの初戦で強豪ドイツと戦う。代表26人のうち8人がドイツのクラブに所属しているようになじみ深い国だが、W杯では初対戦。1977年にケルンに入団し、ドイツ1部リーグ(ブンデスリーガ)初の日本人選手となった奥寺康彦氏(70)=横浜FCシニアアドバイザー、=は決戦を前に「とうとうドイツと戦うことになったのかと」と感慨に浸りつつ、思わず本音を漏らした。「これは大変だぞ」
「分かりやすい相手」
ドイツはW杯で4度の優勝を誇る強豪。2014年ブラジル大会に続く連覇を狙った18年ロシア大会は1次リーグで姿を消したが、決勝トーナメントに進めなかったのは1978年アルゼンチン大会以来、実に10大会ぶりだった。4年前は初戦でメキシコに不覚を取り、よもやの1次リーグ最下位に沈んだだけに、気を引き締めてくるだろう。
主将のGKノイアーが統率するチームはタレントぞろいで、優勝候補の一角に挙げられる。ボランチのキミヒが攻守の要を担い、前線には10年南アフリカ大会得点王のミュラーが健在。抜群のスピードを誇るサネ、「ドイツの至宝」と称される19歳のムシアラも脅威となりそうだ。
奥寺氏はフィジカルやスピードに加え、戦術でも最先端を行く格上の相手と認めた上で「意外性のある選手はそれほど多くはない。分かりやすいサッカーをしてくるので、デュエル(1対1のボール争奪戦)で負けないとか、そういうことが大事になってくる」と個の勝負の重要性を強調。「じっくり攻めたら難しい。組織だった守りになる前に速い攻めをしていくことだ」と速攻をカギに挙げた。
変化するからこその強さ
守りのキーマンには遠藤航(シュツットガルト)、守田英正(スポルティング)のダブルボランチを指名。さらに後半途中からジョーカー的な役割を担う三笘薫(ブライトン)の名を挙げ「三笘は途中出場でこそ、より怖さが増す」と期待をかけた。
欧州組が多数を占める日本代表で、ドイツリーグには1、2部合わせて8人が在籍し、今や最大勢力を誇る。ドイツ代表も1部で10連覇中のバイエルンを中心に〝国内組〟が多く、互いによく知る相手でもある。奥寺氏は「情報戦では50対50」とした上で、ドイツの強さについて「こうだ、と思っていたことを変えていける勇気がある」と指摘する。
かつては大柄で強靭な体格を生かし、ロングボール1本でねじ伏せるスタイルを主流としていた。独特のドリブルを武器に3度のW杯で活躍し、草創期のJリーグでもプレーしたリトバルスキーは、むしろ「異色だった」と振り返る。昨今はショートパスを多用し、個人技で局面を打開する選手も多く「柔軟性があり、(サッカー界の潮流の)良いところを取り入れてきて今がある」と説いた。(大石豊佳)
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おくでら・やすひこ 1952年、秋田県生まれ。70年、日本リーグの強豪だった古河電工に入り、日本代表にも選出。77年から日本人プロ選手第1号としてドイツ1部リーグでプレー。「東洋のコンピューター」と称される正確なプレーで活躍し、1部通算234試合で26得点を挙げた。86年に帰国し、88年に現役引退。今年、J2横浜FCの会長を退き、シニアアドバイザーに就いた。
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