◇米国女子◇ロッテ選手権 初日(13日)◇ホアカレイCC (ハワイ州)◇6603yd(パー72)
スタート前の調整が終盤に差し掛かった頃、渋野日向子はおもむろにティアップせずに1Wショットを放った。朝のドライビングレンジに勢いよくボールが転がっていく。「今年、結構練習をやっていて」という、これまで使うことのなかった“直ドラ”の予行演習。オフからの取り組みにトライする機会は、後半11番(パー5)でやってきた。
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向かい風が吹いたフェアウェイからの第2打は「パー5で3Wでは届かないけれど、(グリーンの)近くまで寄せたいとき」と想定していた絶好のシチュエーションだった。地面からクリーンにさらったつもりのボールは低弾道で…、いや、ほとんど高さが出ず、まさかの「チョロでした」と、およそ150yd先に進んだだけ。3打目に100yd以上を残し、2パットパーに終わった。
米ツアーの多様なコースに対応するための新技の初披露は「ちょっと危なかった。バンカーに刺さるかと思った」(笑)とヒヤヒヤもの。「今週できたらやろうかなと思っていたけれど、あそこは使うところではなかった」と反省したが、無謀な挑戦ではなかったという。直ドラは球を捕まえきれず、一般的には右に曲がるケースが多い。12番はまさに右に池が広がるホールだが、渋野の場合は「ちょっとフェード系になりますけど、他の人よりはあまり右に行くことがないので自信を持って打ったつもり」だった。
思わぬミスが飛び出しはしたが、挑戦にはトライアル&エラーがつきもの。しかもこの初日はエラーが致命傷にならなかった。開始1番からいきなり3連続バーディ。アイアンとウェッジでいずれも1m前後のチャンスを作った。午後が近づくに連れて強風が難敵になるコース。「やっぱり(後半に)吹いてくるのは想定していた」とコンディションが穏やかなうちに「ポン、ポン、ポンと入ってくれたのはうれしかった」と、1アンダー「71」発進の原動力になった出だしを喜んだ。
いよいよ突風交じりの悪条件になった後半に1つスコアを落とした。唯一のバーディだった14番では、6UTと迷った末に6Iを選び、ピンが切られた奥の段まで運んで5mを沈めた。「フォローの方がまだ自分はスイングしやすい。アゲンストになるとどうしても体が反応してしまう」という、向かい風の難しさを攻略した一打だった。
最終18番(パー5)に入り、下半身を気にして顔をゆがめるシーンがあった。「最後の最後に足がつって『やべー、やべー』って」。左サイドを渡り歩き、ラフからの3打目は両脚がバンカー内。そんな、ややこしいライも「足を使わないで良かった」とプラスにとらえてしまう。3オン2パットのパーで締めくくった。
ホールアウト後もひっきりなしに吹き荒れる風。2日目はこのコンディションが相手になる。「あしたは本当に 1日耐えるゴルフをしっかり。なんとか耐えて、耐えて予選通過できるように頑張りたい」と気持ちを緩めるはずがない。(ハワイ州エワビーチ/桂川洋一)
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