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「もっと勝ってもいい」 3勝目をつかんだ比嘉一貴が手放した、長年の武器 - ゴルフダイジェスト・オンライン

◇国内男子◇関西オープンゴルフ選手権競技 最終日(17日)◇よみうりカントリークラブ(兵庫県)◇7180yd(パー71)

「もっと勝ててもいいよね」。大先輩に言われた言葉が頭に響く。自分でも感じていたモヤモヤを、ツアー31勝の片山晋呉から伝えられたのは昨シーズンの終盤だった。

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2019年の「RIZAP KBCオーガスタ」で初優勝を挙げたあと、上位争いにたびたび顔を出すものの直近の優勝は昨年8月の「長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップ」。オフシーズンの間に自分に足りないものを考えた結果、たどり着いたのはヤーデージブックを手放すことだった。

アマチュア時代からの習慣で、練習ラウンドでは傾斜器を使ってグリーンをチェックし、こまかくメモに落とし込んできた。本戦ではそれを武器にプレーを組み立ててきたが、「それが自分のプレーを狭めていると思った」。今年から新たに採用されたローカルルール、グリーンの傾斜や高低差を記した、いわゆる“グリーンブック”の使用が禁止になったこともいいきっかけになり、より感覚を重視するプレーに転換。年明けに顔を合わせた片山から、「いいものを持っているんだから、もっと感覚でやったほうがいい」と言われたことで、気づきが確信に変わった。

「メモと感覚が違ったときに迷いながら打っていたのが、考えすぎずにシンプルになった」と、真価を発揮したのは厳しいピンポジションと強風が吹いた3日目。平均パット数は単独1位の1.3333をマークし、単独首位に抜け出した。

最終日は惜しいバーディパットが続いたが、ショットでカバー。最終ホールは2mのバーディパットを外し、短いウィングパットを入れて苦笑い。「締めかたが大事ですよね」と悔しい締めくくりになったが、2バーディ、1ボギーの「70」でまとめて通算14アンダーで逃げ切った。

シーズン序盤で優勝を挙げ、目標とする複数回優勝と賞金王にはずみをつけた。「何勝する、とは決めていないけど、2勝とは思っていない」と力強く言い切る表情に、もう迷いはない。(兵庫県西宮市/谷口愛純)

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