(日本生命セ・パ交流戦、オリックス1―2ヤクルト、3回戦、ヤクルト2勝1敗、9日、京セラ)精密機械のような高い制球力を存分に発揮した。ヤクルト・石川雅規投手(42)がオリックスを相手に5回5安打1失点の粘投。表情を変えず、淡々と凡打の山を築いた。
「パ・リーグの本拠地にいくと、DHになるので、長いイニングを投げるチャンスが増えると思う。交流戦が始まって十何年たってデータもしっかりあると思うので、リーグ戦同様の気持ちでやっています」
交流戦開幕前に決意をを口にしていた42歳左腕。中10日のマウンドで先発としての役目をしっかり果たした。序盤から緩急で奥行きを使い、両サイドをワイドに攻めた。四回に死球を与えてピンチを広げ、2死一、二塁から伏見の右前適時打で1点を失ったが、最少失点で切り抜けた。
この日も「親子キャッチボール」が実現した。女房役を務めたのは高卒2年目の19歳、内山壮で、23歳差バッテリーを見て高津監督が命名。実績や年齢を見れば、石川が組み立てリードするのかと思いきや、そうではない。
「若い子にも自分の好きなリードをしてくれと。新たな発想でリードしてほしい。僕はその楽しみもある」
石川の口癖は「年齢や実績だけでは飯は食えない」。プロ21年目だが、おごりや慢心はない。常に何かを吸収し、成長しようという向上心が42歳の投球を支えている。
今季3勝目は通算180勝の節目となり、交流戦通算27勝目でソフトバンク・和田らを抜いて歴代単独トップに躍り出た。チームは球団最長の8カード連続勝ち越し。スワローズにとって、石川にとってメモリアルな一日になった。(赤尾裕希)
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