フィギュアスケート世界選手権第2日 ( 2021年3月25日 スウェーデン・ストックホルム )
男子SPで14年ソチ、18年平昌と五輪連覇の羽生結弦(ANA)は、106・98点をマークして首位発進した。
今季初戦だった昨年末の全日本選手権から約3カ月。羽生は成功すれば史上初となるクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)を世界選手権に投入するつもりで練習を重ねていた。「4回転半をこの試合に入れたかった。ギリギリまで粘って練習はしていたけど、最終的に入れることはできなかった」。今大会で超大技に挑まないことを決めたのは、日本出発の「3日前くらい」と言う。
ただ、4回転半を習得するため体操や陸上の理論も取り入れて汗を流した日々は、無駄ではなかった。「遠心力だったり、慣性だったり、そういったものを取り込むための筋肉がちょっとずつついてきた。4回転半をやるにあたって最初の方はかなり筋肉痛とかを伴っていたんですけど、それもなくなった。ショート、フリーを通して、他のジャンプもリラックスして跳べるようになったかな。4回転半に関しても、すごく近づいてきたなという感じもする」と確かな手応えを口にする。
筋力アップに伴い、体重も増えた。18年平昌五輪前の日本オリンピック委員会(JOC)の資料では体重は57キロとなっている。「何キロと聞いてもいいか」と言われた羽生は、「嫌です!ふふふふふ」とかわした。強靱な肉体はジャンプの安定を生み、4回転半成功の礎になる。
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