オシム電話インタビューの後編である。話題はEUROから日本へと移っていく。Jリーグについて、日本の進歩について、日本人がヨーロッパのクラブで監督をする可能性について……。話はどんどん深まっていくのだった。(全2回の2回目/#1から続く)
「それで君らのほうはどうなっているのか。Jリーグははじまったのか?」
――続いています。川崎フロンターレがずっと首位を維持していますが。
「監督は誰なのか?」
――日本人です。鬼木達といいます。
「いいチームを作りあげたのだな。どんなチームなんだ?」
――ちょっとバルセロナに似ています。ボールを支配してパスを回し、コンビネーションで崩します。
「それならいいではないか。もともとスタジアムの雰囲気はいい。東京の近郊にあり、人々は心からサッカーを楽しんでいる。スタジアム自体も悪くない。すべてが揃っている。どんなプレーをするのか具体的にはわからないが、進歩しているのは間違いないのだろう」
日本の試合はテレビで見る。プレーは悪くない
――その通りで川崎の他にもマリノスや神戸……、レッズもよくなって来ました。特にマリノスはアグレッシブで攻撃的です。
「マリノスは以前は経験豊富なベテランたちのいるチームだったが、今も魅力的なサッカーを実践しているならばいい。日本の試合はときどき見ることがある。テレビであらゆる国の試合を放映しているからだが、私が見る限りプレーは悪くない。技術的に大きく進歩した。驚くほどの進歩だ。
君はずっとJリーグを見ているのだろう。だから違いもわかるだろう」
――ええ、今はよくなっています。
「いいというのはサッカー全般なのか、それとも技術的にということか?」
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