レース後も続いた舌戦
しかし2人の戦いは、レース後も両陣営を巻き込んで続いた。 リタイアに追い込まれたレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は声を荒げてこう語った。 「われわれのホームレースであるイギリスGPのレースウイークをこういう形で終えることになるのは本当に厳しい。映像を何度も見返したが、コプスのようなF1の中でも最速のコーナーのひとつでは、オーバーテイクするためにイン側に飛び込むという行為は明らかに間違った判断で、ルイスが両ドライバーを多大なリスクにさらしたと感じざるを得ない。あれは100%マックスのコーナーだった。責任は完全に(後方にいた)ハミルトンにある。この危険な行為によって、マックスは51Gもの衝撃とともに壁に激突した。あのような激しいクラッシュにも関わらず、マックスが自力でマシンを降りてこられたことが唯一の救いだ」 一方、ハミルトンも、事故が起きたことと、それによるペナルティが自分にだけ科せられたことには納得していない。 「マックスとのバトルは、いつも激しい。今日も彼はかなりアグレッシブだったけど、あのコーナーでは完全に並んでいた。でも、彼は僕にスペースを一切与えてくれなかった。ペナルティに関しては自分が納得しているかどうかは別として、僕はそれを受け入れ、最後まで諦めずにレースを続けただけだ」 両陣営だけではない。レース後のパドックはレース関係者もメディアも意見が分かれた。フェルスタッペンの母国オランダの記者は、裁定に対して異論を唱える。 「事故の責任というのは、どちらか一方だけにあるわけではないことは理解しているが、今回はあまりにも不平等だ。マックスはリタイアに追い込まれただけでなく、マシンが大破した。その責任が10秒のタイムペナルティというのはフェアではない」 一方、ハミルトンの母国イギリスのメディアには、事故の原因はむしろフェルスタッペンにあるという者もいる。 「フェルスタッペンは常にアグレッシブで、これまでは相手が引くことで事故に巻き込まれずに済んでいた。あのコーナーもサイド・バイ・サイドで、イン側にいたのは、ハミルトンだった。しかし、フェルスタッペンは引かなかったため、あのようなクラッシュとなった。タイトル争いをリードしているのなら、あのようなリスクを冒す必要はない」
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