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羽生まさかの8位発進「氷に嫌われちゃった」 北京五輪フィギュア男子SP - 産経ニュース

<フィギュアスケート 男子SP ショートプログラム>羽生結弦のショートプログラムの演技=8日、首都体育館(桐原正道撮影)
<フィギュアスケート 男子SP ショートプログラム>羽生結弦のショートプログラムの演技=8日、首都体育館(桐原正道撮影)

8日に行われた北京五輪フィギュアスケート男子ショートプログラム(SP)で、94年ぶりの3連覇を狙う羽生結弦(ANA)は冒頭に予定した4回転サルコーが1回転になる大きなミスがあり8位と出遅れた。

3連覇が懸かる五輪は波乱の中で幕を開けた。羽生は冒頭の4回転ジャンプが1回転になる痛恨のミスが出て、95・15点の8位と出遅れた。「しようがないなって感じ。自分が一番ふわふわしている」と、結果を素直に受け入れた。

まさか、だった。ピアノ曲「序奏とロンド・カプリチオーソ」に乗り、冒頭の4回転サルコーを跳ぼうとした瞬間だった。「穴に乗っかった」。他の選手が残した穴にはまったという。1回転となり、大きな得点源を失った。

その後の4回転-3回転の連続トーループと3回転半は高く、美しかった。スピン、ステップはすべて最高のレベル4を獲得した。集中して華麗に舞った姿はミスを忘れさせた。

演技後は冒頭で失敗した場所に行って手で触れた。何度も振り向き、悔しそうにリンクを後にした。「ミスの原因を探すと整理がつかない。氷に嫌われちゃったな」と受け止めた。

2連覇した平昌五輪後は前人未到のクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)成功に時間を費やしてきた。「正直、平昌後の次のシーズンで降りられると思っていた」という大技は、未完のままで五輪を迎えた。

今大会は「五輪3連覇」と「4回転半の成功」を掲げている。大会直前の6日に北京に入り、本番リンクで滑ったのはこの日が初めてだった。「練習はしっかり積めている。氷との相性はいい」と自信はある。

前回平昌五輪前には右足首を負傷し、実戦の場に約4カ月立てない苦境を乗り越えた。連覇した過去2大会はいずれもSPで首位に立ち、フリーで逃げ切る形だったが悲壮感はない。フリーでは4回転半を「やります。しっかり練習して決め切りたい」と宣言した。五輪王者は夢の実現を見据えている。(久保まりな)

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