日本ハム清宮幸太郎内野手(22)が16日、今季初の対外試合出場で3打数1安打とアピールに成功した。中日との練習試合は「1番左翼」にスタメン出場。試合前には中日立浪和義監督(52)から直接アドバイスを受け、タイミングの取り方などをレクチャーされた。仕掛け人は新庄剛志監督(50)で、要望を快諾した敵将の懐の深さもあり、球団の垣根を越えた異例の指導が実現。出遅れていた大砲候補が、結果を出した。
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フリー打撃中の清宮の元へ、ノックバットを持った青いパーカ姿の男が近づいてきた。中日立浪監督だ。そこへ白いパーカ姿の新庄監督もやってきた。打撃ケージから出た清宮は、2人の新監督に呼び止められた。すかさず立浪監督が、身ぶり手ぶりを交えた熱血指導を始めた。他球団の監督からアドバイスを受ける清宮。スタンドにいるファンもざわめく、異例の光景だった。仕掛け人はもちろんBIGBOSSだ。
新庄監督 ちょっと見てくださいと、お願いした。僕も気になっていたタイミングの取り方。突っ込まないようにいってほしい。
球場入り後にあいさつに出向いた際に、清宮へのアドバイスを要望した。「普通に『分かった、分かった。すぐ行くわ』って。で、すぐに来てくれて教えてもらった」と、左打者の軸足となる左足を使ってタイミングを計るコツを清宮へ伝授してもらった。BIGBOSSも「ウチのチームに(他球団の)監督が教えに来るっていうね」と驚きながら、感謝した5分間だった。
今季初の対外試合出場となった練習試合では1番左翼でスタメン出場。5回は一塁強襲内野安打と悪送球で一気に二塁へ。続く速水の中前適時打で本塁へ生還した。キレのある肉体から繰り出す強いスイングに全力疾走も披露。新型コロナウイルス感染で出遅れた中で、体調も万全に近いことを証明した。清宮は「打席の中でしか分からないことがたくさんありますし、1打席1打席、感覚をすり合わせることができている。次につなげていきたい」と振り返った。授かった金言とともに、出遅れを取り戻す準備を整えた1日となった。【木下大輔】
<清宮の今オフ>
◆21年11月9日 秋季キャンプで新庄監督と初対面。左脇腹をつままれ「ちょっとデブじゃね?」と減量を促される。
◆同11月16日 秋季キャンプ打ち上げ。自主トレのテーマに「強さ、しなやかさ」を掲げる。
◆同11月20日 秋季練習を視察に訪れた新庄監督と再会。「そんなに、やせてなくね!?」と言われるも「これからですよ」と背中を押される。
◆同11月26日 500万減の1700万円で契約更改(金額は推定)。開幕前から体重10キロ減に成功したことを告白。
◆22年1月13日 ソフトバンク柳田と佐賀・嬉野での合同自主トレを公開。公称体重103キロから94キロに到達し、新庄監督からのダイエット指令をクリア。
◆同1月17日 新型コロナウイルスのPCR検査で陽性判定となったことを、球団が発表。
◆同2月1日 キャンプは国頭のBOSS組(2軍)スタート。
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