<キャンプ地から1 名護>
連載「野球の国から」では、さまざまな形でキャンプの生をお届けする。初回に登場するのは、日刊スポーツ評論家の森本稀哲氏(41)。かつての盟友、日本ハム新庄監督が迎える初の春季キャンプの注目ポイントを挙げた。
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いよいよ新庄監督にとって初めての春季キャンプが始まる。個人的に注目ポイントとして挙げたいのは、BIGBOSS流キャンプの第1クール(3日までの3日間)だ。これまでと同じ技術練習のメニューでも、新庄監督はどういうアプローチで選手に取り組ませるのか。昨季までとの違いを、つぶさに見て取れるのが春季キャンプの第1クールとなる。ものすごく楽しみでしょうがない。
昨秋キャンプでは、自ら白いバンの上に乗って設定した高さを越えないような、強くて低い送球を意識させるメニューがあった。監督就任から間もない時期で組み込んだBIGBOSS流だったが、この春季キャンプへ向けてはメニューを練りに練る時間もたっぷりあった。さらに、コーチ陣ともコミュニケーションをしっかり取った上でのキャンプイン。とても興味深い3日間となる。
キャンプ初日を2軍の国頭からスタートする新庄監督は「選手を見る」ことを主眼に置くだろう。どういう状態で選手がキャンプに入ったのか、じっくりとチェックするはずだ。オフ突入前に、選手には「オフにしっかりやってこい」や「自主トレで全部決まる」など厳しめなメッセージを送っていた。課した宿題を選手がやってきたかどうか。選手も勝負してくる中で、監督も緊張感を持って向き合う使命感があるはずだ。選手を見るポイントは“出だしの良さ”ではないだろうか。ただ、選手は初日だけ頑張ってもダメ。オフにレベルアップしたものをキャンプが終わるまで出し続けられるかが大事だ。
若手が多い国頭組を最初に見るということは、より全体をしっかり見極めて、新庄チルドレンを発掘したい気持ちがあるからだろう。野球人を見る目は確かで、選手のオーラも大事にするが、伸びしろに気付いて将来のスターを発掘する嗅覚にもたけている。いろんな角度から選手を見定めて、総合的に判断していくだろう。
私が一緒に日本ハムでプレーしていた時の新庄監督は確固たるレギュラー。春季キャンプは調整期間として徐々に上げていくことを考え、ファンサービスに徹していた。気が付いたらグラウンドにはいなかった印象だ。もちろんウエートトレーニングはものすごくやっていたし、任された時間を有意義に使い、ダラダラと時間を無駄遣いすることはなかった。そんなBIGBOSS流の思考も今回のキャンプに反映されているのか。しっかりと見ていきたい。(日刊スポーツ評論家)
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