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ロッテ・井口監督電撃辞任の舞台裏で何が? 受け入れられなかった“コーチ刷新” - スポニチアネックス Sponichi Annex

今季最終戦後のあいさつで突然の辞任を発表した井口監督(撮影・長久保 豊)
Photo By スポニチ

 電撃発表の裏に、何が起こっていたのか――。ロッテ・井口資仁監督(47)が2日、今季最終戦となったソフトバンク戦後のあいさつで、3年ぶりのBクラスとなった責任をとり、今季限りでの辞任を表明。就任5年目の今季は5位と低迷も、6年目となる来季続投は既定路線だった。井口政権を20年から取材してきた横市勇記者(51)が、その舞台裏に迫った。

 今季最終戦セレモニー。井口監督がファンにあいさつのためマイクの前に立つと、容赦ないやじとブーイングが起こった。昨年まで2年連続リーグ2位と躍進しながら、勝負の就任5年目は期待外れの5位。「3年ぶりのBクラスになったことは、私の責任。今季限りで退任して、次の指揮官にバトンを託したい」。悲鳴と同時に、拍手も起こった。異様な光景だった。

 ほとんどの球団関係者が辞任を知らなかった。「最終的には試合直前に決まった」と指揮官。来季続投の流れで実際、補強策や選手起用などの構想も練っていた。監督就任時に「5年後には絶対優勝してほしい」と重光昭夫オーナー代行(現オーナー)と約束。常勝を目標に「2025プロジェクト」も掲げていた。

 だが、風向きが変わったのは今季最終戦当日。球団から6年目の条件としてコーチ陣の刷新を求められた。古巣ダイエー時代の同僚や母校・青学大出身者が多く「野球観が同じ人たちを集めた」という指揮官が、のみ込める条件ではなかった。これが、電撃辞任の決断につながった。

 球団運営は「事業」と「チーム」が両輪。強いチームをつくり、ファンが集まり、事業が回る。そんなビジョンを井口監督と描いたが、同じく辞任の意向を示した河合克美オーナー代行兼球団社長は「コロナがあったと言いながらも、3期連続赤字。読みが甘かった」と言った。球団と現場の2トップが同時に去る非常事態となった。

 コーチ、選手たちも、ファン同様、セレモニーまで指揮官の決断は知らなかった。井口監督の就任当初から苦楽を共にしてきたあるコーチも「コーチ室に戻ってからも、みんなが戸惑っていた」と驚きを隠せなかった衝撃の一日。監督室はその夜、荷物が全て運び出され、きれいに片付けられていた。

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